異世界ファンタジーへようこそ!※試作品

宛 幸

第1話

目覚めたら、荒野にいた。

夢なのか、現実なのか。

眠る前後の記憶がない。


確か、1回休もうとハードの電源落として……それから?目を閉じた?


「ダメだ」


思い出せない。


ここがラブファンの世界なのはわかる。


「ダブルタップ……あれ?」


指先に意識して、空中をダブルタップしたらウィンドウが出るはずなのに出ない。


「ここって……現実?」


ウィンドウが出ない=ログアウトも運営に連絡も取れない。

これがどんなにヤバいことか……これが現実なら、拉致とかなのか?


「うーん…」


悩みながら自分の体をまさぐる。

服はゲーム内にいた時と同じもの、というか初期装備だ。

え、初期装備でクリアしろってこと?現実に戻れないまま?

無理ゲーですか?


「というか…」


ない。

あったものが、ない。

股間にあった、生まれてからの相棒……がない。

それに、なんだか体も縮んでいる気がする。


「なんだこりゃああああああっ!!!!」


叫んだ。

これがこの世界で最初の叫びだった。

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