第二章5話 日常編: 帰社

「ただいまー!」

「お帰りなさい!!」

 そう返事を返してくれるのは、工藤葉子(くどうようこ)さん。通称「はこちゃん(さん)」だ。

 会社では、俺の秘書的なことや電話番など多岐に亘って活躍してくれる。

 ダークブラウンのミディアムヘアで背中で縛っている。垂れ目で、やや色白の

愛くるしい女性だ。 確か俺より4つ年上だったかな?


「疲れたー! はこちゃん、俺、疲れたよー。元気出す為に一緒に晩飯行かない?」

知仁が甘えるかのように言ってる。


「良いですよ♪」

「えぇっ、本気っ(マジっ)!!!」

「マジですよ! 小坂井さん、川谷さんも一緒に如何ですか?」


 今一つ空気を読まない「はこちゃん」だ。まぁ、頑張れ、九条。宏樹と瑞希も一緒に行くようだな。あっ、二人で顔を見て苦笑してるな。まぁ、あまり羽目を外さずに楽しんでくれれば、それで良しだ!


「お父さん、姉さん、じゃあ、私たちも帰りましょうか? 」

「うむ、そうだな。 娘の手料理をたらふくご馳走になるか。」

「じゃあ、料理手伝うわね。」

「姉さん、お願いします。 旦那様、1時間半後で良かった?」

「あぁ、それで頼む。」

「じゃあ、お先に失礼しますね!」

「お疲れ様でーす!」

「ほい、お疲れ!」


三人は装備を解きにロッカールームへ移動していく。


「さてと、訓練中の連絡事項は?」

「アイゼンなどから、魔石の発注依頼。総数にすると結構な数ですね。リストにまとめてあります。 あと、トミタ元町工場の吉中様から近々お会いしたいとのアポがありました。」 と、はこさんが答える。

「了解、調整頼める?」

「承知しました。」


「小坂井総務課長、魔石の仕分けと値段出してください。 九条人事課長は、

評定管理まとめて下さい。 川谷経理課長、この二日間の決裁処理などお願い

します。 はこさん、A(アルファ)、B(ブラボー)、C(チャーリー)各班

からの報告書上がってますか?」


「「「了解です。」」」

「社長、報告書は、デスクの上に置いておきました。」


「ありがとう。 あと、私は、訓練で取得したドロップアイテムの鑑定立ち合いしてます。何かあれば、スマホに連絡を。」

と仕事モードに入り、こんな感じで時間が過ぎていく。


 時刻は、間もなく午後6時。

我が社の退社時間だ。


「大和、お疲れ!」

「大和くん、今日はありがとうね。 宏樹が怪我してパニック起こしかけた時、

本当にもうダメかと思ったの。」

 まだ気に病んでるのか?瑞希は。


「本当にありがとう。大和!」

「まぁ、久しぶりのダンジョン・アタックだったからな。今日は飲んで食って寝ろ。瑞希のフォローまかせたからな、宏樹。」

「あぁ、じゃあね、大和!」


「はこさんも、面倒かけるけどアイツらお願い。領収書、宜しくね。」

「分かりました! 今日、会社持ちで良いんですか?」

「もちろん! 頑張ってる社員の福利厚生は、会社の基本だからね。 じゃあ、みんな、お先に!」

「「「「お疲れ(さまー)」」」」


そう言って皆と別れ、俺は家路に着いた。

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