エイプリルフール・ストーリー~嘘吐きウッド~

夢月みつき

嘘吐き人形ウッド

僕は、ウッドドール。生きてる人形さ。嘘大好きなんだ。今日は、4月1日エイプリルフール。嘘を吐いても良い日だ。

さあ、どんな嘘を吐こうかな~っと。


あっ、八百屋のおばちゃんだ。よーし!

「こんにちは、良い天気ですね。今日は、まるばつスーパーで卵が10円でしたよ。早く並んだ方が良いですよ」

「本当かい。ありがとう」


おばちゃんは喜ぶと、僕に礼を言ってスーパーに走って行った。

「気もちいい~!」

ウッドドールはおじさん、子供、お兄さんと次々と嘘を吐いて行った。


清々しい気分で、街中を歩いて行く。ウッドドール。

すると、向こうから、チャラそうなお兄さんが歩いて来た。

ウッドの友達、セルトンだった。

「やあ、ウッド。ちーっす!」


ウッドが話そうとした時、セルトンが急に青ざめてウッドに言った。

「ウッド、大変なんだ!君のおじいさんが、急に倒れたって!」

「うそ!?」


ウッドはさーっと血の気が引き、急いで家に帰った。

「おじいさん!」

ウッドは、家のドアを勢いよく開けた。



すると、そこには元気そうなおじいさんの姿があった。

「どうしたんだい?ウッド」

「よかったー」



ウッドは、安心したと同時に嘘を吐かれたのだと気がついて、怒りが込み上げてきた。

すると、ドアの外にセルトンが立っており、一言。

「君がいつも、人にしていることだよ。今日は、エイプリルフールだから少しは、許されるけど。明日からは、ダメだよ」

初めて自分がされて、嘘が嫌なものだと知った。ウッドは、明日からは酷い嘘を吐くのは、やめようと誓った。


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最後までお読みいただきありがとうございました。

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