第27話 エピソード⑦

へべれけの酔っ払い同僚を余所に

『これからどうしよう……』


アリサは今後の勤務地のことをつらつら、考えていた


辞令の下りた場所におとなしく行くという場合が一般的だが、多少は新人の希望も加味されるという



『本音を言うともう少し、あの憎ったらしい悪女教官の元で学んでみたい気がするし……』


ぁーーーーー

私も柄にもなく酔っぱらったかな〜愉しい酒過ぎて



埒もないことをボンヤリと考えていた




*******



「んじゃてんちょーさんご馳走様でしった♪」


「イヤイヤこんな遅くだし、その様子〜

お客さん寮までタクシー呼ばなくて大丈夫かい??」


「だいじょーぶですぅ」


「許可を取っているからだぁ〜〜いじょうぶでしょぉ!」


「そーーーだそ〜〜だ」


「!コラ、言い方!!

ーーーーマジで大丈夫なの?」


論点がずれまくる同期達にアリサは冷や汗をかき、つい突っ込んでしまった


「まぁったくおかたいんだからぁ」

「少しはぁ羽目はずしましょ〜〜〜」


あーコイツらホントどうしょうもない……!


呆れ果てる彼女の気持ちを余所に

酔いを覚ます為を口実に、本当に研修用の寮まで徒歩で歩く事になった





そんなごっきげんな千鳥足


フラッフラで気分良く、幸せな嬌声を上げながら歩いていた時だった






『え』





突然異様な空気感が周囲を取り囲んだ


ヒョゥ


空間がグイッとねじ曲げられる


圧倒的な重量のある黒い気配に支配された




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