第20話 エピソード⑳

休み明けの、次の日

ヴァンパイアハンター協会地方支部に、ピカピカにリラックスして出勤すると


ぁーーーー……


私にとってサイコーに「苦手」な部類


実に気の重い任務がデデンと待っていた

もとい、「待ち構えていた」


必要事項が入力されたパッドを持つ、総務部人事課のお姉様美女に引っ立てられ


(溜まりまくった有給を行使し

過去トンズラしたことを、どうやら未だに根に持っているらしい……!)


水上所長の執務室まで暗ーい顔をしてトボトボ廊下を歩いてゆく



*******



「ねぇ綺麗な優しい、お仕事上手な総務部のおねーさま♡

……他に適任者、たっくさん居るんではありませんこと?」


「いーえ『ありません』ことよ♪

所長閣下より、直々に、ご・指・名・ですもの♡

ねえミオさん、ご・し・め・い〜……っっ!


ふふふふふ♡、頑張ってね!

貴女なら必ず結果が出せるものね♡

それに御自身のお勉強にもなるでしょうし?」



私は項垂れて、床に向かって深い深いふかーーーい溜息をハァと吐く


あんまりだ

今度も、何でコミュ障な自分が適任なのか本気で理解に苦しむ


絶対に数百万倍は自分よりもうんと心優しい立派な、人格も穏やかで真面で最高の適任者が居るはずだ


これは絶対に職場で行われる「ナントカハラ」

〜教育と言う名の虐めに違いないと思う


「フレッフレ♪ミ〜オッッ☆

うふふふふっっっ♡

〜新しい任務

今回も『前回同様』、私達も大いに期待してるわよー♡

ふん〜

トーキョーのいけ好かない奴らに負けんじゃ無いわよ☆」


「ーーーーー……」



マジでアリエナイ


やっぱり今度もそれも求められているのか


ホントに全然嬉しくない声援を受けて、私はぐんにゃりシクシクと悲しみにくれる


総務部ドSな美人お姉様は、到着と同時に堂々と、厚い頑丈なドアを容赦なくノックした

『どうかお留守でありますように……!』


そんな私のいちるの切ない願いは神様のお耳に届かなかったようだ



「入りなさい」


入室をイケメンボイスで許可されてしまい、渋々ーーー

やむなく私は、所長の待つ執務室に入っていった




私の新たな、絶対に向いていない気の重い『任務』


それは他のうんと遠方より〜


遙々この地に、様々な職種より選抜されてワラワラやって来る、実に物好きな怖いもの知らず達の教育係兼、お目付役


”ヴァンパイアハンター新人研修”


殆ど毎度マンツーマンになる教官役だった


誰か代わって〜〜〜〜〜〜!





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