第16話 エピソード⑯

ランプの宿から戻ると私とベルギリウスとイカロスはそれぞれの場所に戻った


ベルギリウスはヴァンパイアハンター協会が管理する特殊な施設へ


運動量の莫大なイカロスは広大なドッグラン〜じゃないか、時間中は自由に好きなように過ごすことが出来る運動場を持つ訓練所へ


皆、私の愛車で責任を持って最後まで送り届ける


ベルギリウスも純血種ほどでは無いけれど、日光は苦手だし?


別に灰にならないまでも〜


だから通常はUVカットが99%近い状態を保てる、人間の私達にとってはメチャ不健康極まるところに居ないと疲労度が半端ないらしいのだ


施設玄関、車回しにレッドの愛車をスーーーッと入場、向かわせると、既に厳めしい施設職員が戻るのを今や遅しと待っていた


ーーーそりゃねー、ヴァンパイアハンター協会において貴重な人材


換えが殆ど無い特別な大スターだものね



「昨日と今日、楽しかったわ」

「んーーーもっと一緒に居たいよぅ」


すっかりエネルギー充填をしたお肌ツヤッツヤなベルギリウスは、デレッと目尻を下げながら全開の運転席側の窓から私のホッペにチュッとキスをした


「じゃぁ次回の『仕事の時』、又よろしくね」

「うん、僕もミオのお誘い楽しみにしてるーーー♡」


ベルギリウスはこういう時は『お約束』の、投げキッスをチュッと飛ばす


フワッと腰まである見事なブロンドを風に流して振り返りつつ、ザザッと施設職員を引き連れるように建物玄関に入り去って行く


何度もその度に柔やかに大きく手を振ってくれる所が本当に義理堅い


私達はバディとしてもとても上手く行っている


ずっとこの調子でいくといいな



さてーーーー


今度は、私の隣で寛いでいる銀狼イカロスの番だ







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る