第7話 エピソード⑦
安心した生活
安定し安楽な社会
人間の社会生活を守る為に密やかな決まりがある
人々が悪戯に不安を覚えないように
パニックを起こさぬように
余りにも残虐な事件には「報道管制が敷かれる」という暗黙のルールがある
こうした類いの出来事は、年に滅多にある事件の性質では無いが
だからといって決して起こらない訳ではない
その一つが、怪異絡みらしき陰惨な常軌を逸した事件
「我々にも手に負えぬ」
この国の国家警察が匙を投げた案件だ
但し、スプラッタ系の事柄であったり無かったりするのでホトホト見極めがしにくい
国際的にも科学、技術立国の勇名を馳せたこの国の今現在の有力な「神」は科学だ
「全ての事象は証明が出来なくてはならない」
だからヴァンパイアハンター協会は「科学的に」つまびらかにする使命~
世論、或いは口やかましい有識者
〜その筋の学者達の心の平安と安寧を取り戻させ、一応の納得を得させる為に
「必要悪」
本来説明出来ぬ物を説明する為、バランスを取る、いわば安全弁として創立された
今夜の「事件」は、元々はビビった公安からの依頼で超法規的処置
彼等の強大な力で、立派なれっきとしたマスコミ対策〜
報道管制の処置が敷かれたものだ
だから何があっても一切、向後の憂いがない
「後始末」~
地方一支部にすぎない、私が所属するこの協会の手に余る部分は、依頼者側の彼等〜
ソッチが威信にかけて何とかするはずだ
まーーーだから
それに「仮にもしあったとしても
異様に顔の広い水上所長のコネ、人脈で
「何とかなるでしょ?」
そんな風に私は勝手に思っている
そこまでして任された事件は、よってタダの通常の変死事件ではない
変死に通常も普通も無いものだけど、それにしたって常軌を逸していた
被害者の大概は若い夫婦~
所謂「ニューファミリー」って奴?
続々とこの地方で、まるでピンポイントで狙い撃ちの様に殺害された
〜二人お揃いでカッチカチのミイラ化、乾物状態で発見されていた
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