第7話 光の中へ!
(どうしたのセイラさん!――あぁ!何あれ!)
(道が……無い!?)
ゴールに手が届く所まで来た僕達を待ち構えていたもの。
それは大きな闇でした。
道は出口の手前で途絶え、底知れない大穴が広がってました。
「中に入った時はこんな大穴無かったのに……」
バシュン!
(うぁ!魔弾が!?)
後ろからはモンスターが着々と迫ってきました。
「止まったら奴に……追いつかれるでも……」
(私はまた……失う……護るべき者を)
私に希望を託し散っていった者達が脳裏を駆け巡りる。
「くぅ……済まない……私は……」
セイラさんの瞳から涙が零れ、光の粒が僕の体に落ちた。
(――泣かないでセイラさん!)
「え……」
(ご主人が前に話してた。バイクがまるで飛んでる様なすごいジャンプして崖を超えてたって!)
「カウルさんも……その様な事が出来るの?」
(話を聞いた時は何かの冗談だと思ったけど……)
(セイラさんとなら飛べる気がする!)
「……信じて良いの?」
(大丈夫!僕を信じて!)
(さぁ、セイラさん加速が足りなよ!もっと、もっと!アクセルを回して!)
(そして僕を空へ羽ばたかせて!)
「…………」
「分かった信じる。行くよカウルさん!」
(うん!)
セイラさんは目一杯アクセルを回し、崖を目の前に僕は更に加速していく。
(来るよ!タイミング合わせて!)
(もう少し……あとちょっと……今!)
「いっけぇーーー!!!」
(いっけぇーーー!!!)
ブオオォォォン!!!!!。
足元のグリップが消え、僕達は空へ飛び立った。
「お願い……どうが私に――」
(お願いご主人に会わせて!)
この瞬間。
時間の流れが急激に遅くなり景色が止まってる様でした。
…………。
……。
ギュィン!
(!!!!)
不意に僕の足元に感触が走ると同時にドン!と全身に衝撃が走る。
(うああぁぁ!!)
「きゃああぁぁ!!」
ハンドルが激しく左右に暴れ車体大きく傾いた。
そして制御を失った僕は横滑りしながらセイラさんと共に眩い光に包まれました。
…………………………………………。
……………………。
…………。
……。
「うぅ……」
ほのかに体を温める光。
更に何かが鼻を擦り、自然の青臭さが通り抜けると僕は意識を取り戻した。
ゆっくりと体を起こし辺りを見回した僕は既視感のある思いを口にしました。
「あれ……ここは何処?」
僕はまたも見知らぬ場所に居ました。
第一章 完
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