第171話 ライバー騎士団長の依頼
午後からエクス帝国騎士団のレベル上げをする。引率した騎士団の人からライバー騎士団長が俺と面会したいと言ってると聞いた。
なんだろうな? 取り敢えず騎士団本部に行ってみるか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
全くプレッシャーの感じない分厚い扉をノックして、返事を待たずに俺は入室する。
「何か用? エロエロさん」
「お前なぁ……。いきなり入ってくんなよ。来客中だったらどうすんだ」
「そんときはそんときだよ。それより天下のエクス帝国騎士団長様がただの一伯爵に何の用?」
「お前は俺を揶揄う事に命をかけているのか? お前に何を言っても意味がないか……。まぁ良い、それよりオリビア・バラスについてだ」
急に真顔になるライバー騎士団長。こうなったらお
「オリビアがどうしたのさ? あ、オリビアは新設された近衛騎士団だったよね。アリス皇女を怒らせたけど、どうなったの?」
「オリビア・バラスは近衛騎士団を首になり、騎士団第一隊に戻ってきた。しかしバラス公爵家から今回の件の責任を取ると、オリビアの騎士団退団の申し出があったんだ。今は俺のところでそれを止めているところなんだよ」
まぁアリス皇女を怒らせたんだから当たり前か。しょうがないですわ。
「オリビアなら騎士団辞めても仕事はいろいろありそうだね。騎士団のエリートだから一流の冒険者にもなれそうだし、あの容姿なら夜のお店で働いたら伝説の女になりそう」
「何馬鹿なことを言っているんだ。オリビアが騎士団を辞めるのはエクス帝国の損失になる。そんなのは認めるわけがないじゃないか」
「でもアリス皇女はオリビアに相当激怒していたよ。バラス公爵家としても、オリビアに何かしらの処罰をしないとアリス皇女に申し開きができないっしょ。騎士団もオリビアの処罰は必要なんじゃないの?」
「だからお前に頼みがあるんだよ。アリス皇女のオリビアへの怒りを
へっ!? 俺がオリビアのためにアリス皇女の怒りを宥めるの? 何でそこまでする必要がある? 知ったことじゃないよ。
「その頼みはちょっときけないですね。自分でした事は自分で責任を取るものでしょ。バラス公爵家が理不尽な事をしているなら考えますけど、アリス皇女が怒っているのは完全にオリビアのせいじゃないですか」
「ジョージの気持ちもわかるけど、考え直してくれないか? オリビアは母親のポーラと離れたくないからジョージを侮辱したんだ。アリス皇女の不興を買えばタイル公爵が激怒して、バラス公爵家から追放されると思ったんだろうな。確かに浅はかな考えだとは思うよ。だけど、オリビアは母一人子一人で育ってきたんだ。オリビアが騎士団を退団したら母親のポーラも悲しむ。そこを考慮して、もう一度考えてくれないか?」
泣き落としに出てきたか。このエロエロ騎士団長はなかなかやり手よのぉ。
ポーラには幸せになって欲しい気持ちが俺にはあるんだよね。それに家宰のマリウスとメイド長のナンシーもそれを望んでいる。ポーラは俺が考えても辛い人生を歩んでいるもんな。
ポーラの幸せって、たぶんオリビアが幸せになることなんだろうな……。
しょうがないか。乗りかかった船だ。ただしライバー騎士団長には明確な貸しにしてやる。
「エロエロさんがそこまで頼むのなら頑張ってみますか。その代わり浮気にはならない
「おぉ! やってくれるか! 夜のお店だな。任せておけ。エクス帝国の夜の帝王を舐めるなよ。期待しておけ」
「本当に期待しますよ。期待で胸が膨らみそうです」
「股間も一緒に膨らませておけ。そうだな、もう12月だし男だけで忘年会を開くか。楽しい夜のお店は年明けな」
「良いですね。誰を呼びます?」
「一緒にロード王国に行った
この人はハメを外すためにハメに行くのかな? でもハメると浮気になるよな……。
「ライバーさん。既婚者の先輩として教えて欲しいのですが、やっぱり夜の商売女を抱くのは浮気に当たりますかね? 以前スミレはそれは許容するって言ってたんですけど……」
「
ニカっと下品に笑うライバー騎士団長。
あ、この人に聞いた俺が馬鹿だった……。
取り敢えず持ち上げておくか。調子をこかしておくと面白そうだ。
「
少し得意気な顔のライバーさん。
俺は絶対そんな心境には到達したくないけどね。破滅しかないわ。
「それじゃ、日程を調整しておくわ。ジョージは都合の悪い日はあるのか?」
そうだな。【白の日】はアリス皇女と会わないといけない。前の日とその日はスミレとムフフ。【無の日】はゆっくりしたいな。そうなると週の頭か。
「週末は忙しいですね。できれば【青の日】か【緑の日】か【赤の日】が良いです」
「了解した。カタスとダンと日程調整して連絡するわ。アリス皇女の件よろしくな」
「ライバーさんも
俺は釘を刺してから騎士団長室をあとにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます