第129話 パーティに参加しよう!

10月15日〜17日

 午前中はスミレとドラゴン討伐に修練のダンジョンの4階に行く。

 大きなリュックサックを2つ購入した。俺もスミレもレベルが上がって、リュックサックにドラゴンの魔石を入れながら戦う事ができるようになった。


 まず最初のドラゴンの魔石は俺の背中のリュックサックに入れる。魔力ソナーでドラゴンを探して、また討伐する。

 2つ目のドラゴンの魔石はスミレのリュックサックに入れる。

 3つ目は俺が前に抱えてダンジョンを脱出する。

 帰りのオーガはスミレが倒してくれる。


 一度潜れば3個のドラゴンの魔石を獲得できるようになった。流石に4往復はできないが3往復はできる。これで半日でドラゴンの魔石4つから9つ納品できるようになった。

 午前中は冒険者ギルドが馬車を出してくれる約束になっている。


 今のところドラゴンの魔石に値下がりの動きは無い。需要が供給を上回り過ぎているからだ。

 ドラゴンの魔石1つで200万バルト。9つで1,800万バルトだ。午後は200万バルトで騎士団か魔導団の隊員の引率だ。

 合わせて1日で2,000万バルトの収入だ。


 ベルク宰相からはお金をガンガン使ってくれと言われている。

 景気の刺激のためだ。まぁ俺らが使う金の量なんて帝都規模で考えると微々たるもんだけどね。


 まずは使用人の給料を上げた。また収入が減ったら戻すとは言ってあるけどね。

 あとは生活レベルを一段階上げてみた。

 バキが食費の予算が使いこなせないと頭を抱えている。


 あ、そうだ。

 パーティを開くのはどうだろう。俺は貴族に知り合いが少ないからな。ベルク宰相に紹介してもらおう。まずはこちらから出席だな。


 エルフの里の研究者のライドさんは、俺の研究をしたいようだ。

 しかし俺の魔力と魔力制御が規格外過ぎて、予定していた実験が全くできなく頭を抱えていた。

 最近では呆れた顔で俺を見るようになった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


10月18日【無の日】

 午前中はルードさんと奥さんのリードさんのダンスレッスン。

 褒めて伸ばすリードさんのおかげでヤル気には満ちている。ルードさんも優しく修正点を指摘するルードさん達と一緒に食べる昼食もマナー講習の一つだが楽しみでもあった。

 ルードさんにパーティを開きたいと相談してみた。


「現在喪中のため、派手なパーティは控えたほうが良いですな。まずは開催されているパーティに積極的に参加するほうが良いですかな。パーティ慣れしないとパーティのホストはできませんぞ」


 なるほど、パーティ慣れかぁ。よし、頑張って参加してみよう。俺が知り合いを増やすのがアリス皇女の役にも立つはずだ。


「私の実家で、今晩パーティがあるはずよ。父と母が帝都に来ているの。良かったら参加してみる?」


 スミレからのお誘いか。よし、行ってみようか。気楽に参加するのが良いね。

 一応、ザインに頼んでノースコート侯爵家に俺たちの参加を伝えてきてもらおう。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 日が落ちた18:00に馬車でノースコート侯爵家に向かった。

 服装は陞爵しょうしゃくした時に着ていたスーツ。紺色で差し色は明るめの青だ。スミレが選んで買ってくれた思い出の服である。

 スミレは明るめの青色のドレスを着ている。

 俺のスーツに合わせてくれたんだろう。


 ノースコート侯爵家の庭先で馬車が停まった。

 スミレをエスコートするために、まずは俺が馬車から降りないとな。

 馬車の扉が開いて俺が外に出ると歓声が上がった。ちょっとビックリしてしまった。

 俺のエスコートでスミレが姿を見せると、また歓声が上がる。

 これは歓迎されているのかな?


 背筋を伸ばして優雅にスミレと腕を組む。受付に名前を書いて会場の庭に移動する。

 今日は野外パーティとの事。

 ドリンクをもらってスミレと乾杯をする。

 周りを見ると皆んな好き勝手に飲み食いしながら談笑している。

 随分緩い感じのパーティだな。これはこれで肩肘張らなくて良いかな。


 ワインを飲んでいると今日のホスト役のギラン・ノースコートが話しかけてきた。


「ジョージさん、今日は来てくれて嬉しいよ。楽しんでもらえているかな?」


「本日は急な出席に対応していただきありがとうございます。なにぶんこのような場は慣れていないため、失礼が無いように注意しながら楽しませてもらっています」


「なんだ、堅苦しい話し方だな。我々は義理とはいえ親子だぞ。気楽に楽しんでもらうと嬉しいな。ジョージさんが参加してくれただけで、このパーティの格が上がったよ」


 これは社交辞令なのかな? 本気にすると痛い目に合うのかもしれないな。話半分で聞いておこう。


「ありがとうございます。機会があればまた参加させていただきますね」


 それからは次から次へと挨拶にくる貴族が尽きなかった。

 もう名前は覚えられません。

 ルードさんのマナー講習がなければ笑顔も持続できなかったに違いない。

 それでもこういうパーティで顔を売らないとな。

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