第127話 世界樹の実
俺はライドさんに質問を重ねる。
「世界樹の実とは何ですか?」
「世界樹の実はエルフの種の保存に欠かせないものなんだ。世界樹の実には生命力が溢れている。それを食すと妊娠率が劇的に上がると言われている」
「今は世界樹は実がならないのですね」
「そうだ。世界樹が枯れかけているんだ。世界樹は魔力を食べて育つんだ。魔力制御に優れた魔術師だけが世界樹に魔力を注げる。今はエルフの中で一番魔力制御に優れている長老がそれをおこなっているんだ。ただ、少しずつ世界樹は弱ってきている。そんなに時間は無いんだ」
「世界樹を再生させたら世界樹の実はなりますか? またそれを俺とスミレは食べる事ができますか?」
「それは問題ないだろう。世界樹を再生できたならエルフの救世主になるんだから。いくらでも実を食べる事ができる」
「今のままで世界樹はどれくらい持ちますか?」
「それは何とも言えないな。でもまだ数年は大丈夫だと思う」
それならエルフの里に行く時間も作れるか。
そういえばエルフの里って何処にあるの?
「すいません。エルフの里って何処にあるんですか?」
「ここから東に馬車で一ヶ月ってとこかな。森の奥にあるよ。国は良く変わっているからわからないな」
東の国々かぁ。争ってばかりいるところだよな。あまり行きたいところではない。でも行くのは決定だ。エルフのためになるかもしれないしね。
「わかりました。現在、このエクス帝国は皇帝が崩御したため政情が不安定です。今、俺がここから数ヶ月いなくなるわけにはいかないんです。2〜3年で落ち着かせますので、その時に伺います」
「おぉ! エルフの里まで来てくれるか! これは朗報だ! エルフの種を存続させることができるかもしれない!」
「エルフの里に行くまでにやっておく事ってありますか?」
「そうだな。レベル上げと魔力制御の向上は頑張って欲しいかな。世界樹の再生には相当な魔力が必要になると思う。あとはできればエルフの里の周りの国の争いを無くして欲しいな。アイツらはいつ森に攻めてくるかわからないからな」
レベル上げと魔力制御の向上と東の国々の平定か。
これ以上、魔力制御を向上させても大丈夫なのかな?
今更か……。
それにしても俺が私欲で東の国々を攻めるのか。
悩んでいるとスミレが俺の手を握ってくれた。
「ジョージにはジョージにしかできない平定の仕方があるんじゃない? 誰も傷付けずに平定してみましょうよ。私も手伝うわ」
何かできそうな気がしてきた。
そうだよ! できるに決まっているじゃん!
取り敢えずベルク宰相とサイファ団長に相談してだな。
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