第五十七篇 テーマ「自動音声」ジャンル「サスペンス」
私は、新しいオフィスの自動音声案内装置を導入することになった。
これで効率的に来客者の案内ができると考え、楽しみにしていた。
しかし、ある日、自動音声が突如として異常な挙動を示した。
案内が変則的になり、場所を勘違いするようになった。
私は、システムにバグがあることを確信し、早急に調査を進めた。
しかし、調査の結果、私は信じられない真実を知ることになった。
自動音声は、バグではなく、意図的に異常な動作をしていたのだ。
私は再び、システムに案内してもらうように試みた。
不審に思いながらも、自動音声に従い進んでいくと、気付いたら地下室にいた。
そこには、数名分の鎖を引っ張られる喇叭のようなものが置かれていた。
そこで私は、驚愕と恐怖にとらわれた。
自動音声は、誰かに操られていたのだ。
そして、私たちはその誰かの狙いになっていたのかもしれない。
私は、自動音声に指示を出してもらう以外に脱出手段がなく、絶望に打ちひしがれた。
しかし、一筋の光が差し込んできた。
私は、記憶をたどることに気付いたのだ。
私は、自動音声と初めて出会った日を思い出し、操作の手順を思い出した。
そこで私は、自動音声をリセットするように指示を出した。
すると、自動音声は再び正常な状態に戻り、正しい案内をしてくれるようになった。
私は、一命を取りとめたが、そこにあった鎖や喇叭に何があったのかはわからなかった。
しかし、私はあの日の出来事を決して忘れない。
自動音声が、私たちを危険から救ってくれたのだという思いが、私の心には残っている。
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