45日目「ナルシストな人に出会ったことがない」
ある性質を持つ数のことをナルシシスト数という。
なんだか、ナルシスト数と言い間違えてしまいそうであるが、ナルシストとナルシシストは大体おんなじ意味であるようだ。
ナルシシスト数は自分が大好きな数なので、ある手段を用いて自分を自分自身で表すことができる。具体的には、
十進法でN桁の自然数nを表した時、k桁目をa(k-1)と表すと、
n=Σ(k=0→N-1) a(k)・10^kと表せる。この時、a(k)とNを用いて、
n=Σ(k=0→N-1) a(k)^N と表せる時、nを十進ナルシシスト数や、表記の簡略化のため10-ナルシシスト数と呼ぶ。
10-Nar(n)=Σ(k=0→N-1) a(k)^Nを10-ナルシシスト操作と呼ぶことにする。
p-Nar(n)は次の様に構成できる。
nがp進法でN桁の自然数とする。k桁目をa(k)と表すと、n=Σ(k=0→N-1) a(k)p^kと表すことができる。この時、a(k)とNを用いて、n=Σ(k=0→N-1) a(k)^Nと表すことができるとき、nをp-ナルシシスト数と呼ぶ。またp-Nar(n)=Σ(k=0→N-1) a(k)^Nとおいて、これをp-ナルシシスト操作と呼称することにしよう。
例えば、153は10-ナルシシスト数である。3桁の自然数なので、1^3+5^3+3^3=1+125+27=153がなりたつためである。10-ナルシシスト数について次の結果が成り立つ。
10-ナルシシスト数は高々有限個しか存在しない。
[証明]
nがN桁の10-ナルシシスト数であるための必要条件を見つけてみよう。nがN桁の10-ナルシシスト数だった場合、999......999(N桁)の10-ナルシシスト操作より、nの10-ナルシシスト操作が小さくなるかそれに等しくなる必要がある。
Nar(999......999)≧Nar(n)=nである。
Nar(999......999)=Σ(k=0→N-1) 9^N=N・9^N≧n
n≧10^(N-1)が成り立つ。(nはN桁より)
つまり、N・9^N≧n≧10^(N-1)が成り立つ。N・9^N≧10^(N-1)はいずれ右辺の方が大きくなるのは指数関数の爆発性より容易に想像ができる。(具体的には数学的帰納法によって示せる。)
これと同じような手法によってp-ナルシシスト数の有限性も示せる。
p-ナルシシスト数は高々有限個しか存在しない(p≧2)
[証明]
nがN桁のp-ナルシシスト数であるとする。必要条件を用いて解を絞り込む。
p-Nar(n)≦p-Nar({p-1}N)({p-1}Nは各桁にp-1が置かれているN桁の数を表す)
n=p-Nar(n)より、
n≦p-Nar({p-1}N)=Σ(k=0→N-1) (p-1)^N=N・(p-1)^N
nはp進法でN桁なので、n≧p^(N-1)
一つ前の不等式から、
p^(N-1)≦N・(p-1)^Nが成り立つことがわかる。{p/(p-1)}^(N-1) 1/N≦(p-1)
左辺は発散する。そして右辺は定数である。このことからある一定の大きさ以上のN*であればこの不等式は成り立たず、N*桁以上の桁数のp-ナルシシスト数は存在しないので、p-ナルシシスト数は高々有限である。
どの様に進数をとってもその進数に対応するナルシシスト数は有限であるということである。つまり、次の様な数列を作ることができる。
Nar(n)をn-ナルシシスト数の個数とすると、Nar(n)は数列になる。
簡単な性質として次の性質が成り立つ。
n-1≦Nar(n)
[証明]
n進数で1桁ならば、それはナルシシスト数になることが定義から簡単に導け、1~n-1までの数は一桁の数であるので、n-1≦Nar(n)
つまり、Nar(n)の増加は一次関数よりは大きいという結論が出せる。あまりここの込み入った話については詳しくないので、これ以上の定理があるかどうかはわからない。誰か教えて〜
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