5日目「4という数字が嫌いなガンマンがいるけれど」

4という数字は日本では「死」を表すとして不吉の象徴として扱われるという話は置いておいて、4にまつわる私の好きな定理を紹介したいと思う。


ラグランジュの四平方和定理

任意の自然数は高々4つの平方数の和としてあらわせる


例えば、53という数をとってきたとする。これは53=2^2+7^2と表せて、高々4つの平方数の和として表せている。30=4^2+3^2+2^2+1^2と表せるので30の時も正しい。このように、あなたの寿命が尽きるまで自然数を持ってきても高々4つの平方数の和としてあらわせる。ここが数学のすごいところだと思う。無限にあるような対象に対して性質を証明できるというのはとても強力であると思う。


この定理はもっと一般化できる。一つの例として平方数をk乗数に置き換えてみよう。すると、次のような命題に興味が出てくる。


ウェアリングの問題

任意の自然数が高々s個のk乗数の和として表せるという命題が成立するようなsはどんなkでも存在するか。


答えとしては、存在する、だ。しかも、そのような性質を持つsの最小値g(k)もほとんどすべてのkに知られている。例えば、g(4)ならば19であるとかだ。


もっと一般的にg(k)について、g(k)=2^k+[3^k/2^k]-2がオイラーの息子のJ.A.オイラーによって予想されている。さすがというべきか、父の背中を見て育ったというべきか。やはり、子どもは親を見て育つのだろうか。

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