おいおいリアルだと一日目なのに3日目になってもうたわガハハ

リュカ数というものを知っているだろうか。これはフィボナッチ数の相方、片割れともいえる存在で、片割れなのに知名度がフィボナッチ数よりも圧倒的に低いというまるで、面白いのに癖の強い相方に存在感を飲まれているお笑い芸人さんのような数列である。もしかしたらフィボナッチ数のことを知らない人がいるかもしれないので、説明しておくと、フィボナッチ数とはF_0=0,F_1=1,F_(n+2)=F_(n+1)+F_nによって定まる数列で、様々な性質を持つことから、一般の人々や果ては怪しげな啓蒙書にまで(筆者の完全な偏見である)登場してくる有名数列である。リュカ数とはフィボナッチ数の初期値だけを変えて、L_0=2,L_1=1,L_(n+2)=L_(n+1)+L_nによって定まる数列である。フィボナッチ数の初期値のみ変更バージョンということで、インパクトに欠けるのかもしれないがこの数列も結構面白い性質を持っている。(というか、漸化式で定まる数列で面白くないものなんてない気がする)


私が好きな性質

・2F_(m+n)=F_m*L_n+F_n*L_m

・2L_(m+n)=L_m*L_n+F_m*F_n

・pを奇素数とする。L_pはpで割ると1余る。

これらの性質は数学的帰納法のnとn+1を用いてn+2の時を示すパターンで示したり、一般項を展開してやったりして示すことができる。

このような、2つの数列が互いの情報と絡み合っている数列の組を一般化したものがリュカ数列である。リュカ数とリュカ数列は紛らわしいがリュカ数列はリュカ数とフィボナッチ数の関係を一般化したものであるので、注意されたし。

リュカ数列は次のように定められる。

U(0)=0,U(1)=1,U(n+2)=P U(n+1)-Q U(n)

V(0)=2,V(1)=P,V(n+2)=P V(n+1)-Q V(n)

ただしP,Qは整数であるとする。


ここで次の性質が成り立つ

・2U(m+n)=U(m)V(n)+U(n)V(m)

・2V(m+n)=V(m)V(n)+D U(m)U(n) (但し、D=P^2-4Q)

・pを奇素数とする。このときU(p)はpで割ると(D/p)あまり、V(p)はP余る。(但し、(D/p)はルジャンドル記号)

・mがnで割り切れるときU(m)はU(n)で割り切れる。


つまり、U,Vはフィボナッチ数列とリュカ数列の組み合わせの一般化になっているということだ。このような一般化こそが数学の醍醐味といっても過言ではない。あとは暇であれば思うがままにP,Qを決めて実際に性質通りになっていることを確かめるのも数学の醍醐味だろう。


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