最強の冒険者編⑧
「SSランク冒険者アレス。貴様にドラゴンの調査と討伐の指名依頼をする。」
ジークはアレスを見てそう言った。
「そう来ると思ったよ。」
アレスはジークに言われた言葉にそう返す。
「なら、後はわかるな。」
「はいよ。」
アレスはジークに返事をし、受付嬢の方を見た。
「すぐに依頼の準備をします。」
受付嬢はそう言って奥に向かった。
「面倒くさい手続きは後でいい。最低限の準備だけにしろ。」
本来、指名依頼を受けるには色々な手続きをする必要がある。だが、今回は急を要するためジークは手続きを省略するよう言った。
「アレス、お前もさっさと行け。」
「はいはい。行きますよ。」
アレスは面倒くさそうにしながらも、ジークの言う通りにするため動いた。
アレスも現状では、自分が適任だとわかっているのだ。自分が行かなければ被害が大きくなる。それを理解しているからこそ面倒くさく思いながらも素直に依頼を受けたのだ。
アレスは省略された依頼の受注をし、冒険者ギルドを後にした。
「まずは準備を整えますか。」
アレスは装備を整えるため、一度クランハウスに帰る。
アレスがクランハウスの中に入ると。
「何しやがる脳筋女!」
「うるさい。筋肉ハゲ。」
サラとゲルドがまたケンカをしていた。
アレスはよくやるなと思いながら、2人がケンカしている横を気づかれないように通り抜けようとしたが。
「アレス、やっと帰ってきた。」
サラはケンカしながらもアレスに気付いた。
「やあ、サラ。」
気づかれたことで、諦めてアレスはサラに話しかけた。
「アレス、待ってた。」
「そう、依頼に行ったんじゃなかったの?」
「終わらせてきた。」
「は、速いね。」
「アレスとお出かけしたかったから。」
「そ、そうか。」
あまりにも早すぎる。
サラの言ったことにアレスは引きながら、これから出発しないといけないことを話す。
「ごめんな、サラ。僕は今から出発しなければいけなくなったんだ。」
「なんで、約束したのに。」
「だからごめんよ。」
「私も行く。」
「それは無理だよ。ジーク支部長からの指名依頼だしね。」
「ジークしばく。」
「やめてやれ。それよりゲルドとケンカしてたんじゃないの?」
「そうだった、ゲルドしばく。」
そう言ってサラはゲルドのところへ向かおうとしたが振り返り。
「今度、お出かけしよう。絶対ね。」
そう言って今度こそサラは去って行った。
サラと別れたあと、アレスはクランハウスの2階にあるマスター室へと向かった。アレスの私室でもあるこの部屋にはアレスの集めた装備が並んでいる部屋でもある。
アレスは装備たちの中から大きめのローブとフードを被り、自分の身長とおなじくらいの長さの杖を取った。
装備を整えたアレスはクランハウスを出て、町の入り口である正門に向かった。
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8話です。
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