第3話 魔道具の作り方と、道具製作と、足し算魔道具

 魔道具の作り方は簡単。

 魔石を用意して、【かの呪文を魔石に書き込め、火よ点け】と呪文を唱えれば、火点けの魔道具が完成する。

 書き込む呪文に呪文に文字数制限はないから、効率をよくするためには、目一杯長くする方がいい。

 さて、どういう魔道具を作りましょうか。

 いきなり四則演算は難しいから、足し算からにしましょう。


 前に使った【int main(void){ return(      ); }】は使えない。

 これは計算式が変わると呪文も変わるため、決まりきった数式しか計算できない。

 魔道具にするには不向きな呪文。


 魔道具にするのに適した呪文を作らないと。


 足し算だけなら記号は要らないわよね。

 数字だけを入力すればいい。


 数字を何個か入力→合計を出すループ→出力。

 こういう流れで出来るはず。


 もっとも簡単なのは。


#include <stdio.h> /*標準入出力ヘッダーファイル。お約束みたいなもの*/

#include <stdlib.h> /*標準ライブラリヘッダーファイル。標準の関数を使う時は付ける*/


int main(int argc,char *argv[]) /*argcに入力個数。argvに入力された文字この場合は数字*/

{

 int i,sum=0; /*カウンターと合計*/


 if(argc<=1) return(0); /*足し算なし*/


 for(i=1;i<argc;i++){ /*入力された数だけループする*/

  sum=sum+atoi(argv[i]); /*入力された数値を足す*/

 }

 return(sum); /*答えを返す*/

}


 こんな感じね。

 まずは紙に書いて無詠唱でやってみる。

 うん、上手くいった。

 ヘッダーファイルが無いってエラーを吐かれるかとも思ったけど問題ないみたい。

 それはそうよね。

 【火よ点け】で火が点くんだから。

 説明不足もほどがあるわ。

 そんな呪文でもいけるのだから、当然よ。


 ヘッダーファイルの2行を外して、魔法をやってみたけど、問題なく動いた。

 結局、魔法はこう動いてほしいという動作をするらしい。

 最初の2行があった方が効率はよさそうなので、付けておくことにした。


 魔道具を作る呪文も開発。


extern MAGIC *magic_tool_init(void); /*externは外部宣言。どこかにありますよというしるし*/

extern void magic_tool_write(MAGIC *mp,char *spell);

void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義構造体。『mp』という魔法の構造が定義される*/

 mp=magic_tool_init(); /*初期設定。魔石を魔法として認識*/

 magic_tool_write(mp,"ここに呪文を入れる"); /*魔石に呪文を書き込む*/

}


 プログラム魔法なら、日産1万個もいけると思う。

 何かお金が必要になったら、魔道具を大量生産して、乗り切るとしましょう。


 魔道具の材料の魔石だけど、モンスターがもっている。

 この辺りだとゴブリンが有名ね。

 ゴブリンは人食いだけど、強いモンスターではないわ。


 お転婆な女性だと、棍棒みたいな武器があれば、無傷で倒す事もできる。

 私は倒したことはない。

 姿を見かけたら逃げることにしている。


 出来上がった魔道具は、ゴブリンの魔石から作ったのだけども、一度の魔力の充填で何万回も作動するようね。

 ようねというのは100回からめんどくさくなって試してない。

 千回かもしれないし、10万回かもしれない。

 でも、100回使ってから、魔力を充填したみた時に、その量を計算すると、およそ何万回との答えが出た。


「また来たよ」


 ビュートがまた遊びにきた。


「今度は何の用?」

「用が無かったら来ちゃいけないのかな」

「ちょうどいいわ。計算の魔道具を作ったの。使ってみて」


 ビュートに使い方を教えて、やらせてみる。


「この魔道具いいよ。街の店で買い物した時に、よく誤魔化されるんだ。俺は二桁の計算になると怪しいから」

「一つあげるから使って」


 識字率もさることながら、計算を出来る人も少ない。

 この村だとまともにできるのは、私と、母さんと、村長一家と、牧師様だけ。

 この魔道具で一生楽に暮らせたりしないかなぁ。


 とりあえず、お小遣いを全て叩いて、魔石を買って足し算の魔道具を10個作ってみた。

 足し算の魔道具ありますの看板も掲げたけど、どうなるかしら。

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