内田真人【17歳】<2日目・夜 総合病院>
直美と健也は、患者がいない救急外来の待合室の長椅子に座って真人を待っていた。
「ルーレット回そうかな」と、浮かない顔で直美は言った。
健也は返事する。
「そうだね、そろそろ……」
真人の大怪我を見たばかりの直美は恐る恐る【スタート】ボタンをタップし、深呼吸して【ストップ】ボタンをタップした。
ルーレットが示した数字は<5>
駒が5マス移動し、停止位置のマスがピンクへと変化し、ハートが表示された。
「恋……なんか、嫌な予感がする」
「心は傷つくかもしんないけど、真人みたいに大怪我するよりマシだろ?」
「どっちも嫌だよ!」
【『食いしん坊』
ゴールまで18マス
所持金 5千円
身体状況 瘡蓋<軽傷>
【愛を証明しましょう!】
『獣医師』さんが大怪我!
所持金が減ってしまいますね。そんな『獣医師』の為に一肌脱ぎましょう。
『獣医師』さんを診ているお医者さんとエッチして無料に!
女遊び盛んなお医者さんのテクニックに感じてしまいますね。
お医者さんには「お注射をお願いします」と言ってみましょう。すぐにエッチが始まります。よかったですね。
♪愛を証明し、医療費無料♪
【END】
「なにこれ!? 相川と変わんないじゃん! あたしの所持金と真人の所持金を足せばいいじゃん!」
「無料にするのが指示なら、それはルール違反だよ」
「だってこれって売春じゃん!」
「いまさら売春くらいどうってことない。それこそパパ活だと思え。あいつらは平気で売春する。それと同じだ。それにオレたちは既に殺人を犯したんだ。もう立派な犯罪者だよ。このクソッたれゲームのせいで」
「……。そうだね……あたしたちは犯罪に手を染めた」
その後、二人は言葉を交わすことなく、無言で椅子に座り続けた。30分が経過し、処置を終えた真人が包帯の上から破れた制服を着て廊下に姿を現した。
「ふつうはこれだけ大怪我を負ったら入院だろ。ゲームのせいなんだろうなぁ。家に帰ろうぜ」
「直美がいまから指示を実行に移す」
「どうゆう意味? 何を指示されたんだ?」
「一種のパパ活だ」
椅子に座っていた直美は、真人に声をかけずに、診察室へと入っていった。
「え? なに? どゆうこと? なんであいつは診察室に?」
「医者とヤって医療費無料にしろって表示された」
「そ、そんな……」
自分の大事な他の男と寝る……怒りと嫉妬の感情が胸を支配する。
だけど、それは仕方がないこと……一番嫌な思いをしているのは直美なのだから。
落胆する真人に健也が言った。
「前も言っただろ? 灰にならずに済むし、怪我するわけじゃないって」
「そうだよな、オレみたいに大怪我するよりマシだよな」
その頃、直美は診察室の椅子に腰を下ろし、医者と向き合っていた。隣には看護師が一人立っている。
緊張を孕ませた声を震わせながら、指示どおりの台詞を言った。
「お注射お願いします」
するとすぐに看護師が診察室を出て行った。
全員がこのゲームに支配されている。この医者も同じだ。ノンプレイヤーキャラのように、プログラムどおりの台詞を言い、プログラムどおりに動くのだろう。いくら女好きの医者でも、診察室で性行為に及ぶことはない。
医者は椅子から腰を上げ、カーテンで仕切られた診察台へと歩を進ませ、直美を呼んだ。
「さあ、太くて気持ちいいお注射だ。おいで。パンツを脱いで診察台の上に座り、脚を開きなさい」
直美は言われたとおりパンティを脱いで脚を開いた。なぜだかわからないが、聖那にレイプされたときよりも抵抗感はなかった。それどころか、性器が濡れている。
殺意、食欲、淫欲、これらの理性がどうかしてしまった。
怒りもいつも以上に感じる。食欲も妙に湧く。淫欲は感度が半端ではないため制御できない。
医者の反り立った肉棒を見た瞬間、直美は息を荒くした。まるで発情した猫のように肉棒を欲した。
「はぁ、はぁ、はぁ、早く来て……」
「白い液薬が入った注射だ」と言ったあと、勢いよく、挿入した。
その後、直美は廊下にまで響き渡るくらい凄まじい喘ぎ声をあげた。
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