後継者を探そう
第13話 お見合い拒否(星騎士副団長との意外な関係)
「こんなにゴワゴワな髪になって!海水は髪の天敵ですのよ!」
寝室に戻ると、リザの雷が落ちた。
一瞬で海に潜ったことを見破られ、お風呂に放り込まれる。
「ごめんなさいリザ。お風呂の準備ありがとう。」
ずっと緊張していたのか、お風呂のお湯で身体中がほぐれてゆくのが分かる。
とはいえメイドさんに囲まれてのお風呂はまだ慣れない。
「今夜はゆっくりとお休みください。」
「うん、そうさせてもらうわ。」
やらなきゃいけないことは沢山あるだろう。
レックスが起きたら話し合わなきゃなぁとぼんやり天井を見上げる。
「明日から見合いの予定が入っておりますからね。」
「……え?今なんて?」
突然の思いがけないワードに固まる。
「見合いです。ご婚姻も王族のお仕事ですから。」
「いや、いやいやいや。は、早すぎないかなぁ?まだあんな事が起こってまだ3日くらいしか……」
「陛下。」
リザの髪を洗う手が止まる。
「陛下のお気持ちもごもっともです。でも、もし陛下の身に何かあった時、今度こそ王冠を授かる資格のある者が居なくなります。」
お分かりですか?というリザの言葉に、小さく頷くことしか出来なかった。
理屈は分かった。
理解はできる。
あーあ、こんなこと思いたくないけど、王様に男性が多いのはこういうリスク回避がしやすいからだな、と思い知らされた。
男性の方が効率がいい。
「よし、わかったわ。」
「それは良かったです。」
「生き残った貴族の方々で、資格のありそうな人に片っ端から王冠を呼び出す儀式をしてもらいましょう!」
「……はい?」
「貴族の中には何代か辿れば王家の血を引いている者も当然いるでしょう?直系だけしか王になれないなんて決めつけてはいけないわ。何事もチャレンジしなくちゃ。」
やることは山積している。
この事件を起こした者と、マーフォート族の宝玉を盗んだものが同一人物かの確認もしないといけない。
親族を失った人たちへの補償は?
穴が抜けた役職への人材の補充は?
今回みたいに私の命を危機に晒せないからと、城の中に篭って後継者作りなんてとてもじゃないけどやってられない。
ずっと病室で寝てた前世の時みたいじゃない。
「なるほど、確かに一理ありますね。」
リザが頷く。
「誰かいないかしら?リザは良い人知ってる?」
「アイリス様の祖父あたる、前々王の娘を母に持つ者なら生き残っております。」
「つまり私の従兄弟じゃない!?なんていう方?」
なんと、意外にも近親者が生きていた。
私はその事実に胸を躍らす。
「アイリス様もお会いしたことがございますよ。」
「え?」
「アルフレッド・エーデルワイス様
です。」
星の方か!
私はポンと手を叩いた。
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