櫻川さんは、サクラがお嫌い? 2
ただ単に愚痴のつもりで吐いた
「我は一族からすれば半端者であったからな。公の場に出ねばならん時には多少なりとも愛想良く振舞えと、様々な手練手管を教え込まれていたのだ。 ……無論、床も含めてな」
おうふ。表立っては使い物にならないから、せめて有力な子息でも引っ掛けてこいって事ね……。それで興味を引く話題作りや、おシモでがっちり捕まえちゃう方法とかのお勉強か~。良いトコの家、怖っ。
政に係わる立場にある女にとっては至極当然の事だから気にするな、だってさ (※意見には個人差があります)。少なくともその話をしている時に嫌そうな顔はしてなかったから、ギリセーフとしよう。
え、ほぼ無表情なのに何で分かるのかって? それはこれまでの経験による賜物ってやつですよ。
何があっても感情が動いていないかのように見えるこの表情、実は幼い頃からやっている内に顔が固定されてしまったと
『これは
そう答える顔はいつものように微動だにしていないのに、私にはテヘペロ (・ω<) のオーラが背後に見えた気がしたね (あくまで脳内補完です)。
張り付いたような笑顔とはよく言うけど、ずっと能面みたいなのって社交界的な観点としてはどうなん?
『普通の家なら問題だろうな。生憎、我は駒になる気など微塵も無かった故、寧ろ好都合であったさ』
皆さん、この
この世界にサクラが持ち込まれたのと同じように、酒場や食事処ではないカフェという概念や甘味などの嗜好品なんかも誰かが商売のタネとして活用したらしく、私の前にはコーヒーとみたらし団子、フルーツサンドが。
サッサーラの手元にはクリームソーダとドカ盛りパフェ、肉増しのパストラミ的サンド、焼鳥の盛り合わせ(タレ付き)が置いてある。もうウケればなんでもござれってのがいっそ清々しいよね。
彼女は私より一回りは小さいのに、使うエネルギーが多いのか食べるわ飲むわでまぁ凄い。その分よく動いてはいるから太ってもいない…… いや、一部分はそれはもう―― 比べると辛くなるから止めとこう。精神的にもその方が大変よろしゅうございます。
サクラがよく見えるこのオープンスペースと併設された建物の1階がカフェ部分で、2階がレストラン、3階がVIP用の貸し切りスペースになっているそうで。
ここには魔法的な原理で動くエレベーターが2基も付いていて、1基は3階のVIP専用。ただ上下に動く箱に乗りたくて、この店のレストランに来たがる人達も多いらしい。
2階のレストランで食事をしたら普通のエレベーターが無料。屋上の展望エリアは有料。良い商売してるなぁ~と思ったら、このお店さっき出てきたダガーヤ商会系列でした。うん、納得。
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