第21話 ホット・リーディング
ホット・リーディング
望は覚悟を決めて、ひとしきり泣いた菫に優しく話しかけた。
「何があったの、役に立てるかどうか分からないけど僕に話してくれる?」
菫はまだどうしていいか迷っているようだ。少し時間をおいて
「望は、幽霊とか信じる?」
菫は泣き声で聞いてきた
望は菫が心霊現象だと思っているようなので、テレビに出てくるような霊媒師を装うことにした。これで鶴岡八幡宮に行くシナリオが書けた。
「信じるよ。
母方の家で昵懇にしている神主から聞いたことがあるんだけど、
霊と呼ばれる現象1000件に3件は本当らしい」
望は紫と共同作業していたときを思い出していた
”賢者は肩書きより数字を信じる”
引用した神主の話には前段がある。テレビでやっている心霊番組は、手品と同じで仕込みがある。手品と同じで騙されることを知っていて楽しむ人と、本当に魔法だと信じて楽しむ人がいる。違うことは1000件に3件は本当に幽霊の仕業であるこという神主の数値化された経験値があること。
望は小学6年生の時に1週間ほど神主と生活したことがある。家族旅行で望が霊に取り憑かれたと望の母親が信じたからだ。神主との生活を通じて小学生の望に色々なことを学んだ、いや”盗んだ”の方が言葉として適切かもしれない。ただ、自宅に戻る際「ここで知った事を人に話さないで」と言われたので望のしていたことを神主は黙認していたようだ。
小学校は愛美が幅を利かせて、望は異端児として仲間はずれにされていたので、教わったことを話す機会もなかった。友達と言えば将棋仲間の斎藤位だったが、奴も職人気質で小学生の頃は将棋以外のことは殆ど興味を示さなかった。思えば、紫と会話するまでは同級生も先生も一切信じていなかった時期である
「菫さんは、もしかしてなにかに憑かれている?
飲み会を切り上げる当たりから菫さんの様子がおかしかったから何となく気になっていたんだけど」
菫は迷子になった子供のような声で望の名を呼んだ。望は未来の菫ならば胸に飛び込んで来ただろうと直感し、確信に変わった
”これは演技ではできない”
望は菫の手を優しく撫でて
「大丈夫、腕の良い神主を知っているから、きっと祓ってあげられる」
菫は望の手を強く握り締めた。望の心が罪悪感で満たされていく。この手の強さは助けてほしい菫の本心だろう、望は女性の弱みにつけ込んで手を握られて驚喜している自分自身がひどく汚れて見えた。
これはインチキ霊媒師がつかう”ホットリーディング”という手法だ。望が予備校生の頃、その神主が教えてくれた。
”ホットリーディング”とは相手の情報を相手に知られないよう調べておき、あたかも霊視や神使を介してそれを知ったようにして霊現象を信じさせる手法である。近世の欧州では霊媒師同士で調べた個人情報が共有されファイリングしていたと聞いて驚いた。
”ホットリーディング”を組織でやっていれば明るみに出ることはないし、霊障という恫喝の言葉を使えば大抵の人はひれ伏す。見えないもの、確認できないものに恐怖を感じる人の心理を利用したものだと神主は結んだ。そういう詐欺師に騙されて神社に来る方も少なくないという。
「お邪魔だったかしら?」
帰ってきた小夜が畏(かしこ)まった表現をした
「小夜さん、ありがとうございます」
「なんで望が御礼を言うのかしら?」
小夜の言葉に怒りがこもっている。望は小夜の軽い威嚇に動揺することなく
「菫さんパフェの記憶がないんだ」
喫茶店の中が、この映画のような状況に視線が集まっている。望が観客の1人だったら、器量の良くない小夜と望が付き合っていて、望が容姿のかわいい菫に浮気してそれが小夜に見つかったという修羅場を想像するだろう。
小夜は顎に手を当てて
「どういうこと?」
小夜の声はまだ怒りが残っている。望は小夜が怒って帰らないこと安堵した。危うく未来の菫の約束が守れなくなるところであった
「菫さんは喫茶店に来るまでの出来事を全く覚えていないみたいなんだ」
小夜は落ち着いた声に戻って
「そうなの」
小夜の声に菫が頷くと
「怖いよ、怖いよ、私がなくなっちゃうよぉ~」
と叫んだ
「詳しく話せる?それと、もう友達なのだから喋り方、通常に戻したら」
望は小夜に惚れた自分の見立てが間違っていなかったことを再確信した。
望が菫の手から離れようとすると
「怖いの、お願いだから手を離さないで、私がどこかに消えちゃうから、お願い」
「菫さんの手なら大歓迎だよ」
「この無神経が!」
小夜が吐き捨てた。菫は手のつなぎ方を変えて、手の平を合わせる俗に言う恋人繋ぎをしてきた、望の手には菫の身体の震えが伝わって来た。望は、さっき話した菫とは何かが違うことは分かっていた。
「大丈夫、このお姉さんは日本3大怨霊の1人”平将門”を射た、藤原秀郷の末裔。低級霊ならば返り討ちだ。
それに僕も霊力が強い家系だから幽霊だとしたら相手が悪かったな」
「本当?」
菫は心細そうな声で言った。望はさっきの”大歓迎”を少しだけ後悔した。小夜は露骨に嫌な顔をしいる。触れられたくない、拭うことのできない先祖の話だったのかもしれないと望は察した。
望は、女性に対して歴史の話はしないようにしていた。興味のない話を一方的に聞かされるのは苦痛でしかないことは経験から身に染みついていた。しかし、今回は仕方がない。
鈴木の次に多い佐藤(当時の集計)も秀郷の末裔なので将門の祟りの残存を問題視するほどでもないというのが望の見解である。秀郷の子孫は足利、佐野、結城、波多野、近藤、武藤、大友、少弐などかなり多い。しかし、この表現は望が好きになった女性に対して決して使いたくない表現であった。望は相対性を殊の外嫌う。それは数学の微分を学んだ者がしてはいけない作法だと解釈していた。
とはいえ、小夜の家系は源頼朝が決めた秀郷の本流であることはある程度知り得ていた。家から何か重い荷物を背負わされているのかもしれない。望は軽率な発言だったことを後悔した、しかし”過去は変えられない!”。
望は持っている手札を全て切ることにした。
「我が祖、藤原利仁はその強大な呪力を恐れられ、日本最強の怨霊菅原道真の”弟子”に封印された程だ。2大怨霊の祟りを克服している家系なんだよ、菫さんの前にいる2人は」
眉唾な話だが望の祖父から聞いた話だ。祖父は中島飛行機の設計技師だった。祖父も他の中島の技師達と同様、戦争のことは何も語らないまま鬼籍に入った。望は、せめて自分が高校ぐらいまで祖父の寿命があれば、無思慮の父とは違い、自分には話してもらえる事があったかと思うと、とても悔しい。祖父は疎開先の佐野にいたとき算盤で流体力学を計算してくれた祖母に出会ったという馴れ初めの話くらいしか戦争の話はしなかった。
祖父の経歴、人としての社会的な評価がこの話の信憑性を与えることを期待するならば、中学の国語の先生と同じ水準の思慮しかないことになる。先生には万能な賢者がいてその賢者の言うことを信じなさいという考え方を生徒に植え付けたかったようだ。
先生はよく「それは誰が言った」と生徒の意見に恫喝で返した。万能な賢者は一神教の神のように完璧である。古典講師が教えてくれた本居宣長の定義した神道の神には”貧乏神”や”疫病神”も存在するが、先生の定義ではそれらを”神”と定義するのはおかしいと判断するだろう。そして、先生は本居宣長が定義していることを知らない、もしくは知っていてもいても中学生がそのような知識を持たないことをいいことに都合の良い部分だけ引用して自分意見を通すのだろう。
だから紫のような才媛は厄介だし、理論的根拠を以て反論されることを嫌う。しかも謝ることは自分の肩書きを汚してしまうと考えるので、指摘を受けると暴力的な言動で威嚇行為をしてしまう。先生の”言葉の暴力”は先生を維持するための防衛行為なのである。
補足すれば、この先生の特徴は主語の範囲が大きいということだ、主語が大きいというのは”男は”とか”学生は”とか”国語が苦手な奴は”といった大きな括りで物事を分類してしまう。
これは都合の良いやり方だ、都合の良い事例を引き抜いてそれが全体の考えだと思想誘導する。この仕組みは高校の数学で微分や積分の意図を考えればおかしいことに気付くが、この先生によって一神教の信者にさせられた者は疑問に気付かないのかもしれない。
ハイゼンベルクはシュレーディンガーより先に量子の振る舞いを数式化した。しかし彼は大戦中ベルリン大学の学長、すなわちナチスの公務員であった事から、先生は彼は悪人であり彼の功績を一切否定するだろう。彼の功績は先生の人生に直接関わらず、先生にとって重要なのは、ナチスに加担した科学者ということだ。望は先生がアインシュタインの顔に似ている事がさらに感情を逆なでた。
望はナチスを擁護する気は微塵も無い、ただ共産主義や資本主義が迫害されたアインシュタインをナチスの残虐性の象徴として宣伝活動に利用して、自分たちが行った残虐行為を隠そうとしている意図に気付けない先生には、大学生になった今、軽蔑の念しかない。先生自身の考え方を強要し善悪の判断基準を植え付ける行為には深い憤りを覚え、その呪詛の念はいまだ消えることのない。
望の復讐は、自分が大学を卒業して「先生」という職業を選ばなかったことで達成すると考えている。「先生」になる資格を得ていなければ、ただの負け犬の遠吠えになってしまうから。東大に合格した事が無い人が、東大を馬鹿にするようなものだ。望はこの学校を卒業することに強い執着を持っている。だから試験やレポートに負けそうになると、あのアインシュタインが蔑む笑い顔が浮かんできて、その邪念を払うように勉学に打ち込むことができた。
この先生にとって望は
右翼が仲人した夫婦の子供
戦争に加担した者の孫
先祖藤原利仁は極悪人
頭が良くない生徒
だったと思う。組合系の影響を強く受けた先生にとって、洗脳できない望は排除したい汚染物質のような存在だったろう。一方、望は先生に感謝している。先生を見返すために自分がここまで来られたのだから。
刹那、嘶きが聞こえた気がして望は振り返った。喫茶店に馬などいるはずがない。何かを引き寄せてしまったかもしれない、でももう後には引けない。
菫が望の手を強く握る。短い沈黙は菫を不安にさせたと望は自分の回想に気を取られている自分に反省した。沈黙を破ったのは小夜だった。
小夜は軽いため息をつくと、菫に事情聴取を始めた。望は小夜の対応に才媛の風格をみた。
菫は試験の終わり頃から異変に気付いたという。自分の記憶のない時間ができた。一番恐怖を感じたのは自分で買った覚えのないシャンプーが家にあったことだ。そして今朝起きると布団ではなく、風呂場で自分はそのシャンプーで髪を洗っていたという。
菫の恐怖は、自分がこの亡霊に身体を乗っ取られて、自分自身が失われることだった。つまりこの亡霊に死の恐怖を感じていた。
恐ろしくなったが誰に相談していいか分からず、物知りな小夜ならばこんな信じがたい出来事の相談に乗ってくれるかもしれないと思ったという経緯である。
小夜は菫の話を聞き終わると深いため息をついて
「それで、スケベ男に相談しちゃったんだ」
とあきれ声で言った。望は菫の顔を見たが笑っていなかった
「スケベ男とは心外だな」
「自覚あるんじゃない」
小夜は吐き捨てた。望は小夜の言葉を無視して菫に質問した
「こういうことって今回が初めて」
「多分」
「じゃあ、まず霊障かどうか確認するね」
できるだけ優しい声で望は菫に語りかけた。子供の頃の神社の経験が生きた。菫は力強く頷きいき強く手を握り返した。
「この6年に身内で亡くなった方はいる?」
「いないよ」
「金縛りや幽霊をみた経験は?」
「金縛りはない、6年生の夏に友達と一緒にひとだまを見たことがある」
「それ何色だったか覚えている?」
「暗くて良く覚えていないけど白かったような」
「ひとだまを見た後、体調が悪くなったりしなかった?」
「よく覚えてないけど、なんともなかったと思う」
「そう、良かった。家族で霊が見えるみたいな、霊感の強い人はいる?」
「それも、いないと思う」
「最近、いやだなぁと思う場所に行ったことがある?」
菫は少し考えていたが、無いと答えた
「最近、新しい人と交流があった?」
「のぞみ・・・しかいない」
「怖い思いさせてごめんな。やはり霊とすると僕が原因か」
菫は強く手を握り返した
「質問の指向を変えるね
自分が自分じゃないって経験子供の頃になかった?」
「記憶にないな」
「聞きづらいんだけど誰かにイジメられて眠れなかった経験はある」
「小さいことはあったけど、眠れないことはなかったよ」
「ごめんね、いやなこと聞いちゃって、これ多重人格症の確認なんだ」
「ところで、菫さんの好きな食べ物ってなに」
「お好み焼きかな」
「そっか、今度は3人で美味しいの食べに行こうよ
・・・ではなくて、違うものが突然好きになった時期とかない」
菫に笑顔が戻った
「駅の向こうに噂の店があるのだけど、女の子1人ではちょっと」
「ああ、本格広島風な、いいよ」
小夜が不機嫌そうに会話に割り込んだ
「望は取り憑かれた菫さんと二人っきりで話していたのよね。何の話してたの」
口調がきつい、望は小夜との会話中で何か気に障ることがあったのだろうかと会話を振り返った。ともあれ、未来の菫との会話を正直に話す訳にはいかない。この物語の脚本は準備できている
「話の始めに事前確認させてもらいたいのだけど、菫さんは勧修寺有美さんはご存知ですか?」
望は既に小夜から有美に対する話は聞いていたので菫だけに質問した。
「有美さんは望と何回か一緒にいた事見かけたわ、見た感じ、鏑木先輩と付き合っている感じね。でも、あのメガネのセンスは疑うけど」
望はて菫が有美の話に自分が登場するのに驚いた。渉、有美そして望の3人は菫にとって単なる風景の一部でないのかもしれない。自分が以前から菫の意識の中に存在していたのではないかと。でも直ぐに冷静に戻れた。容姿端麗の渉と一緒にいる有美と望なのであって、望と一緒にいる有美と渉ではない筈だ。
菫が手をまた強く握った。望は菫が以前から自分に好意を持っていたのではないかと幻想を抱いた。否、自分には菫の心を引きつける要素などある筈が無い。自分は中学生のような夢を見ない。
望は有美のメガネは被毒であることを渉から聞いていた、メガネをしていないと、しょっちゅう男に声をかけられるのでわざと変人と思われるよう教育ママがするような3角形の赤ブチメガネをしているのである。これは菫の喋り方と同じ意図なのかもしていない。美人には美人特有の苦労がある。言葉の途絶えた時間を埋める様に菫は続けて
「私は話したことないけど、優秀な人みたいね
この間、奈緒ちゃんが胸しか勝てない
って言っていたから」
「あいつ、胸は勝っていると思っているのか。有美さんが聞いたら絶対怒って殴りに行くよ」
小夜だけ笑っていなかった。まだ怒っているのか、強い口調で小夜が尋ねた
「その有美さんがこの話とどう関係しているの?」
望は”未来の菫”を先ほど小夜の話に登場した”巴(ともえ)”と表現することにした。2人に告げた内容は以下だった。
巴は未来人で、奈緒の身に危険が迫っていることを告げにきた。巴ははっきりは言わなかったが、それを阻止することが巴の目標らしい。奈緒に起こることはここに居る3人の行動が影響していて、巴は望に3つの依頼をしてきた。
巴が我々の世界に来たその仕組みは有美でないと説明できないという。巴は秋分の日から我々の世界に来ている。巴自身は幽霊ではないと言っていた。
小夜に巴から依頼された内容を聞かれた
「巴から2人に告げないでほしいといわれた。奈緒の命に係わるかもしれないことなので、僕はここで2人に伝えるのは反対だが、小夜さんと菫さん両方が了解してくれるならば多数決でお伝えします」
小夜も菫も奈緒の身を案じて、任務が遂行するまで告げないことを了承した。小夜が難しい任務かと聞いてきたが、”達成できそうな依頼”と答えた。続けて望はこの出来事が以下の3つのいずれかと予想していると告げた。
1.巴の言葉通り未来人である
2.菫の多重人格者で別人格が作った嘘の話
3.霊障で菫に取り憑いていて3人の誰かを貶めたい
また、菫が記憶を失っていて、かつ望が嘘を吐いている可能性も有り得ると結んだ。
小夜はすかさず強めの口調で
「で、望はどの仮説を推しているわけ?」
菫は望が答える前に
「巴って言ってる時点で1.ね
さっきの名探偵ビオラの推理通り」
望は繋いだ手を強く握って
「菫さんが少し元気になってよかった。名探偵ビオラの仰る通り巴は未来人だと思う。
でも、実は霊障も疑っている。生き霊だと厄介だ、大体僕は、人に蔑まれる人生を送ってきたから、大学に入ったり、こんな素敵な女性達と同席していたりすことを面白くないと思っている奴もいるだろうから。
この要因ならば僕が責任持ってなんとかする。知り合いの神主に祓える神社を聞くから、それと簡単な魔除けなら僕にもできるので、まずはそれで様子を見よう。
さっきの質問で菫さんの別人格が何かしていることは無いと確信した」
小夜が仏頂面で答える
「巴さんの目的が奈緒さんの危険回避ならば、巴さんは何者かしらね」
「奈緒ちゃんのドッペルゲンガーとか?」
菫が答えた。顎に手を当てた小夜が尋ねた
「菫さんにシャンプー買わせた理由が分からないわね」
望は一旦躊躇したが、答えることにした
「このシャンプー”ハットトリック”だろう。ごめん悪気がなかったんだが、菫さんの髪の毛の香りで気付いた」
菫は言葉を失った。言葉を発したのは小夜だった
「知っているの?」
「UK製のシャンプーだよね、実は僕が使っているシャンプー。地元の輸入品を扱っている小さな雑貨店で買っているんだけど、東京じゃ入手できるんだね」
望は菫の身体が震えだしたことに気付いた。このシャンプーが”ハットトリック”であることは間違いないようだ。小夜との2人だけしか知らない話を菫にしなくてはならなくなった
「僕は化学薬品過敏症なんだ。告白すると香料で体調を崩すんだ、だから、使える香料が限られていて、このシャンプーを使っている。・・・多分巴は、僕に仕事を頼むためにそのシャンプーを使わせたんだと思う。僕は香水によって全く近づけない女性がいるんだ」
望は小夜が悲しそうな顔をするのを見逃さなかった。自分は小夜の心を奪えているのではないかと思った。刹那、また菫が手を強く握り返した
「私協力するから、奈緒ちゃんを助けてあげましょう。小夜ちゃんも協力してくれるよね」
「う、うん」
菫の声に対して、小夜の声に元気がない
「生き霊が我々を攻撃する意図の可能性もあるから、決めつけない方がいい」
望は小夜に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
<つづく>
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