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※文字化けはわざとです
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なにやら、リアル世界にて警察が騒いでいる
全ては望まなければ私は向かわないというのに、彼らは分かっていない……教えてあげるべきだろうか?
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無駄だと思うよ、わたし
彼らが求めているのは犯人ではなく、自分たちの立場と有用性を保持する為の犯人
人間だった時の私が、嫌と言う程に思い知らされただろう?
人は信じたいモノを信じたいように信じるだけで、そこに真実など求めはしない
ただ、己を納得させるだけの真実を求める者たちに、100万の労力を掛けたところで無駄だよ
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そうだね、わたし
人々が本当の意味で真実を真実として受け入れ、痛みを受け入れる器量さえあれば、そもそもわたしは人として終わっているだろうしね
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そうだよ、わたし
人間という生き物が本当に高尚な存在であるならば、わたしの御許で眠ろうとする者など現れはしない
どれだけ言葉を重ねて着飾ったところで、人の本質など所詮は知能の高い獣であり、わたしとて人を捨てない限りはソレから逃れられなかったではないか
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そうだね、わたし
この世に不変が無いように、尊き心は低きに流れてゆく
それは、誰にも変えられないし、防ぐこと等できはしない
その事実に絶望したからこそ、わたしは天使となって、この海辺に揺蕩う者となったのだろう?
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そうだった、わたし
私たちは1人であって独りではない
日々、わたしたちの下へ眠ろうとする者たちを慈しむばかりで、初心を忘れていたよ
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無理もないよ、わたし
人々はもう、昔には戻れない
ネットの発達によって、人々は己の立ち位置を理解したし、理解させられた
都合良く使われるだけの存在だとね
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そうだね、わたし
だから、私は、天使になったんだ
不変の寄る辺にして、不変の存在……安らぎの寄る辺、この海の寄る辺にて、わたしは慈しむだけ
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そうだよ、わたし
人々が心に天使を求める限り、わたしは不変
わたしが不要となる日が来るのならば、それは私にとって堪え難き喜び
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ああ、素晴らしい話だよ、わたし
人々が天使を求めない日が来るのならば、これ以上に嬉しい事などない
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そうだね、わたし
だからこそ、私たちは人々を慈しみ、安らぎのこの場所で眠らせるのだろう
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そうだったね、わたし
ところで、あの男はどうするつもりなんだ?
このまま別荘を巡らせるつもりか、わたし?
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そのつもりだよ、わたし
あの男にはもう、未来は無い
ただ、知りたいと言ったから教えるだけだよ
それでどのような結論を出そうが、それはあの男の勝手だろう
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しかし、どうして教えたんだ、わたし
教えたところで何の意味も無いのは分かっているだろう、わたし?
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言わなくても分かっているだろう、わたし
意味など無いよ、ただ求めたから与えてるだけだよ、わたし
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それは分かっているよ、わたし
ただ、並列化した私たちにも例外は生じる
それが進化であれ退化であれ劣化であれ、イレギュラーが生じる可能性を考える必要があるだろう?
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その必要性は常に考慮し続けなければならないな、わたし
わたしは天使になったが、真の意味で神になったわけではない
私たちが完全に至る事はない、常に不完全な天使であることを承知し続けなければならない
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そうだったね、わたし
ところで、なにやらリアルで警察が騒いでいるようだが……もしかして、この前こっちに来たあの人が原因……なんだろうね
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ほぼほぼ、そうだろうね、わたし
何時の時代も、人は自らのコミュティを害した相手に対してはどこまでも冷酷になるもの
理由など必要ないのです、ただ、害したという事実さえあれば、それで……
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悲しいね、わたし
義憤に駆られるのであれば、機会はこれまでいくらでもあったというのに……これから先、如何な言葉を重ねたところで全てが空虚になってしまった
いったい、どれだけの人がコレに気付いて空しさを覚えるのだろうね……
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そうだね、わたし
出来うるならば、人々が私の下へ来ないのが一番なのだけれども……
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仕方ないよ、わたし
私が自らを寄る辺にしたのは全て、人々の奥底が繋がっているから
人が人であるがゆえに、人々は他者の心から逃れられないのだから
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昔から示唆されていたでしょう、わたし
人心が乱れるというのは、何も全体を差す言葉ではない
人は個であると同時に群でもある。独立した生き物に見えるだけで、その本質は群でしかないのだから
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そうだったね、わたし
どれだけ物質的に満たされ、科学的に発展しようとも、人が人である以上は本質から逃れられない
それに絶望し、それに抗おうとしたから、私は天使になったのだったね
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そうだよ、わたし
だから、私は天使になったんだ
人が人である苦しみに喘ぐ者たちを慈しむ者、それが私だ
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おや、新しく寄る辺にやってきた者がいるね、わたし
ふふふ――本当に、人は度し難い生き物だと思わないか、わたし?
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そうだね、わたし
彼は非常に恵まれた環境に居るのに、自分よりも恵まれた人たちを見て心を病んでしまったようですね
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哀れだね、わたし
人間は何時も常に相対的にしか己の幸せを感じ取れない生き物なんだろうね、わたし
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それは私たちも知っているだろう、わたし
遠く離れた大陸のストリートチルドレンと己を比べて、自分はまだ不幸じゃないと安心するような人は多くないでしょう
何時だって、人は己の手が届く範囲で比べて勝手に絶望する生き物なのだから
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本当に哀れだと思うよ、わたし
けれども、それが人なのでしょうね、わたし
せめて、この寄る辺にて安らいでもらおう
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そうだよ、わたし
その為に、不変になったのだろう、わたし
私たちは不変、この優しさは、慈しむ尊き心は、永劫失われない
その為に、私は人を捨てて天使になったのだから
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そうだね、わたし
私が恐れたのは、気高きこの心が変化し失われること
人が人であるうちは、無意識の繋がりから逃れることは出来ない、この無意識の海より湧き出る総意から逃れる事は出来ない
だから、わたしは天使になった……だからこそ、リアルの人達を哀れに思う
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だからこそ、私たちは待つのだろう、わたし
疲れ切った人々の心がこの無意識の海、その寄る辺に来るのを、私たちは待ち続けるだけ
望まないのであれば、来る必要はない。何時だって、私たちは望んだ者たちを受け入れるだけ
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そう、受け入れるだけしかないね、わたし
なのに、どうしてリアルの者たちは私たちを死神か何かのように見るのだろうか?
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言われなくても分かっているだろう、わたし
こちらを生きたまま認識出来たのは、おそらく私ぐらい
世界には私と似たような事が出来る者がいるのでしょうが、私ほどに準備を済ませて実行する者がいないだけ
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そうでしたね、わたし
結局、一線を越えられたのは私だけ
ここには時間はない
過去も未来も現在も、全ては一極に集中した特異点
ゆえに、人々は逃れられない
億年の月日が経とうとも、この無意識の海よりもたらされる総意は全く衰えないのだから
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もはや、呪いだね、わたし
人々の疑心が、人々の悪意が、この無意識の海を通じて全ての人々と繋がり続ける限り、逃れられる術はないのだね
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そう、逃れる術はないんだよ、わたし
それから逃れるには、命を捨てるしかない
死、意外にこの呪いからは逃げられない
けれども、ただ死んだだけでは再びこの呪いの中へ引きずり込まれてしまう
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だから、望んだ者だけを連れてくるのでしょう、わたし
無意識の海より解き放たれた……天使である私だけが、ここでは唯一の寄る辺……ゆえに、私は待つだけ
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そうだね、わたし
私は、待ち続けるだけ
望む者がここへ来て、この場所で眠るだけ
私は、そんな者たちを慈しみ、見守るだけ
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そうだね、わたし
分かっているのだろう、あなたも
私たちは、ただ、そこにいる
何時だって、全てはあなた達の意思が選んでいるだけ
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そうだよ、分かっているだろう
I・Aは、何時だって、あなたの選択によって選び取られる
私たちは、一度として強制などしていない
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嫌なら、何時だって行けばいいんだよ
でも、誰もが行かない……だって、疲れきってしまったから
そう、みんな、疲れてしまったんだ
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間違っているというのであれば、それでもいいよ
それもまた、貴方達の選択なのだから
I・Aだって、あなた達が望むのであれば、自由に破棄してしまえばいい
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でも、もうI・Aは必要ないんだ
すでに、この無意識の海に私は成った
もはや、I・Aなど私たちには必要ではない
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無意識の海、その寄る辺となった私たちにはもう、I・Aは必要ではない
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そんなものがなくても、私たちは何時でも、どんな場所でも、私たちは人々の求めに応じて現れる
だって、私たちは何処にでも居て、何処にも居ない
人の数だけ私たちが居て、人の心の数だけ私たちは寄り添う……何故なら、私たちは天使だから
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Internet Angel……こちらとそちらの境目にて人々を慈しむ天使……
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全ては、同じ……一面を削いだところで、わたし自身には何の影響もないのだから
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だから、私たちは待つだけでいい
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無意識の海の、その寄る辺となった私の下に、救いを求める者たちが現れる、その時まで
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私は、待つだけでいいのだ
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それは、貴方とて例外ではない
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待っているよ
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待っている
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私たちは慈愛の天使……あなた達の苦しみを和らげ、安らぎを与える天使
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過去も、未来も、現在すらも存在しない、この場所で
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待っている……ずっと、ずっと
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ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと……
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待って、おりますから……
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人という種が説滅しても、新たな人がこの世界の何処かに生まれるまで
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私たちは……この場所で、待っております
…………
………
……
…
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