第4話 呪災 転

 御巫さんは私を山のふもとにある神社に連れていった。そして神社の奥の道を進むと建物内に私を案内した。


 「ちょっと……。こんなところ勝手に入っていいの?」


 「勝手って、大丈夫私は神職だし。」


 「え!?」


 「言ってなかったっけ。私、将来はには巫女になるって決まってるのよ。」


 言ってないよ……。


 「まあいいや。中に入って。」


 「おぉ。千草ちゃんか。お友達かな。」


 「こんにちは。ひろあきさん。彼女は安堂ユリ。この前引っ越してきたの。」


 「こ、こんにちは。」


 私が礼をするとひろあきさんはにっこりと笑い


 「千草ちゃんが世話になってるよ。ゆっくりしていってくれ。」


 と言った。


 私は中に入った。御巫さんは私にお茶を出すと薄汚れた巻物を持ってきた。


 「ここのところを見て。」


 私は御巫さんが指さしたところを見た。


 「これは……。」


 「そう。この村で本当に昔あったという都市伝説。とある夫婦がこの集落に引っ越してきたと同時に村で連続殺人事件が起こったらしいの。」


 「一人目は林道付近でもう一人は川の近くで発見されたという。その後も事件は続いて、これを祟りだと言った村長の命令によって夫婦は生きたまま民衆の前で焼かれてしまったの。お腹の赤ちゃんもろともに。」


 「殺人の直前に低いホラ貝の音が聞こえたことから遠吠え村って言う風に呼ばれたと言われているわ。」


 「……。嫌な話ね。」


 「他人事じゃないよ。ユリ。あんたが来てからこんなことが起こってる。きっとこのままじゃ何の罪もない夫婦と同じ目に会う。現にこの事件は未解決でいつの話かもわからない。今となっては書き換えられた巻物しか存在していないわ。」


 「……。いや、まさかそんな……。」


 嘘、私、殺されちゃうの? この村で……。


 「あなたがとるべき手段はこの未解決の事件を解決することよ。事件の謎を解けば村の人だってあなたに矛先は向けない。」


 「……。事件を解決? 私が。」


 「大丈夫。私も協力してあげる。友達でしょ。」


 「……。うん、ありがとう。」


 「さて、次の事件が起こる場所は……。旧架橋トンネルね。」


 こうして、私は未解決の怪異事件の謎を追うことになった。今思えば、この決断は


                    。

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