古本屋ーカタコンベ散歩


宛てのない散歩の道すがら

昔ながらの古本屋を発見すると

物凄くテンションがあがる。


キレイなものが求められる昨今だが

昔ながらの古本屋は

遺跡発掘めいた高揚感とでも言おうか。

スペクタクル!


映画等で有名になった

フランスのカタコンベに代表される

町の地下や洞窟に作られた墓所。

昔ながらの古本屋の様相は

似たような空気感があるのだ。


フランスのカタコンベは

厳密には市内の墓地を

地下に移動したものなので

観光用に過ぎないが、

骨は実際に埋葬発掘されたもの。

3~4世紀のローマでは

地下や洞窟に埋葬したそうだ。

その時代の墓地の形を

一番気楽に見学できるのが

フランスのカタコンベとなる。


カタコンベだとドイツ語読み?

フランス語だとカタコンブ?

日本に最初に紹介する際に

硬い昆布をイメージしそうだから?

フランスなのにドイツ読み。


2007年の映画『カタコンベ:CATACOMBS』でも

見物気分は味わえる。

ただ、『ソウ』シリーズのプロデューサの映画なので

落ち着いて見物出来るがしないので、

オススメしない。


昔、地方都市で入った大きな古本屋は

壁から天井まで本がぎっしりと詰まっていた。

迷宮に迷い込んだと錯覚しそうな空間だった。


天井の本はどうやって安定させているのだろう。

気になって、

最奥の、本の隙間に埋まる店主に聞いてみたが

先代からこうだったので知らないという。


店主が背もたれにしていた本棚に

奇妙な本ばかりが並んでいるのが気になった。

じっと見ていたが

「非売品だよ」

としか言わない。


あまり会話もなく

大正時代に刊行された文豪の本を

数冊購入して店を出た。


あの古本屋は

まさに本のカタコンベだった。







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