「ほんの小噺でございます」

変態とくねくね

休日の朝ーいつもより　遅く起きた日。

家の者も

もふもふした動物たちは

とうに起きていて。

居間で映画を観ていた。

劇場版「変態仮面」の２作目だった。

目覚めに好きな映画、

いいシチュエーション、

いや理想的。

我が家の動物たちも

大好きな映画だ。

「起きた？」

と　キッチンから声がして

出てきたのは　変態仮面だった。

古くなって捨てるはずのビッグＴシャツが

巧の技でリメイクされ

見事な変態仮面のコスチュームに！！

「コーヒー、淹れてるけど、飲む、かい？」

変態仮面の様な口調。

コーヒーを持って

くねくねと

ＴＶの前まで歩み寄る　その姿は

まさしく変態仮面！

「飲む」

コクコクと　首を縦に振る。

湯気のたつコーヒーを持ったまま

キメセリフとポージングをキメまくる

我が家の変態仮面。

よく見ると

我が家の動物たちの頭の上には

ティッシュが乗せられ、

普段とは違う動きをしている。

もふっ、もふっ、もふっ。

変態仮面の仲間入りか！

くねくねする家の者。

もふもふ変態仮面。

これは負けられない！

捨てる予定のシャツを

急いでリメイクして

すぐに参加せねば！

察した我が家の変態仮面が言う。

「安心したまえ！

　君の分も　ちゃあんと用意してあるよ！」

くねっ。