食と気持ちと。



ハムスター。

ネズミ系なので

「チーズ」が好きだというイメージがありそうだが

完全に好みの問題だった。

このあたりは人間と一緒で、

味の好み、食感によって個人差が大きい。


人間の食べ物がほとんど食べられるハムスター。

毒になる食べ物を把握していれば

一緒に食事を楽しめる。



もふもふ団は みんなで一緒に

「いただきます」で食事をする。


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なんでもニコニコ受け取るので

好きだと思ってあげていたものが

「実は大嫌いな食べ物」なのに

「せっかく分けてくれてるから・・・」という

ハムスターの思いやりだった!

なんてことがあった。


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その仔の場合はバナナだった。

ハムスターに渡し終わった後、

残りを自分が食べていたのだ。

これは「食べ物を分けてくれる」状態。

動物たちの倫理観として

「食べ物を分ける」というのは

とても凄いことなのだ。

しかも、大好きな「手渡し」


家の者は、その仔が

バナナを受け取った一瞬の表情を

見逃さなかったのだ。


「お前、バナナ嫌いだろ」


!!!!


指摘され慌てふためくハムスター。


おとうちゃん!言っちゃだめ!

おかあちゃん!違うからね!


「口の中で、ぐにゃっ、となるのが

 イヤなんだろ」


更に慌てるハムスター。

慌てて完食しようとするバナナを

家の者は取り上げた。


「おかあちゃん大好きだもんな。

 言えなかったんだよな。

 無理にキライな物を食べなくていい。

 ほっぺの中のバナナも出せ」


目の前に手を出され、ハムスターしょんぼり。

おかあちゃん、ごめんね。


ちゅん・・・


「気が付かなくてごめんね。

 優しいからねえ、

 もう我慢しないでね」


こっくりと頷いたハムスターは

家の者の手に 残りのバナナを頬袋から出した。

 



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