少佐は作戦を開始する②



私はカイザルに淡々と告げる



「でもね、君は第一王子でも戦場では一般兵と同じ扱いになるから覚悟しておいて、そして君には早速だけど力になってもらいたい。私と敵国の戦艦に侵入してもらいたいんだ」



私は大佐から聞かされていた作戦には敵国の戦艦に侵入しその中に乗っている王を殺す、と言う作戦なのだ。侵入するのは二人で一人は私でもう一人はどうしようかと考えていたけどこの機に戦場の恐ろしさをこの坊っちゃんに教えるのは良いかもしれない。

私は私より少し背が高いカイザルを見上げて笑った。



「どうしてだ?俺より適任者が絶対居るだろう?」



カイザルは私を見て不思議そうに答える。

嗚呼、コイツは戦場に居る覚悟が足りない。

私は幾年も戦場にいて学んだことがある。

戦場では『技術アーツ・自信・覚悟・行動力』が大事になる。

大体コレが足りないとココでは生き残れない。



「それはね、君に戦場に立っていると言う覚悟を教えるためだよ」



私はカイザルから踵を返してケイルに問う。



「ケイル、敵の戦艦の構造を見せてくれる?」



「分かりました、少佐」



ケイルは王子を連れて行くことを止めない。

多分分かっているんだろう。

ケイルも兵の中では優しくてもさすが軍人だ。

ケイルは空間魔法でしまっておいた戦艦の構造図を出した

私はケイルから構造図を受け取り戦艦のある一室に風魔法で赤い印を付けた。



「ここに王が居るから、大丈夫貴方は見学班でいいわ。私が敵を片付けるから」



私は軍服のベルトに着けていた懐中時計を見て言った。



「今は9:30だから9:40分に開始するわよ、それまでに貴方は309室の鍵を上げるから軍服に着替えてちょうだい」



私はカイザルに部屋の鍵を投げつけ言った。

急がなければ、作戦に狂いが応じる。

私はケイルに言った。



「今すぐ防御結界アンチシールドを張ってちょうだい」



「では魔術師を手配しますね、少佐」



私は駆け足で戦艦の最上部に向かった。

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