科学解決 名推理を披露するとしましょう!?
プルルルプルルル、美和の携帯が鳴る。
「もしもし」
「刑事さん、柴だ。スターに関係者を集めた。話を聞きたいってことで何人か走田な事件には関係ないやつも集まっちまったが今から来て貰えるか?」
「了解です」
「じゃあ後ほど」
「えぇ」
ガチャ、ツーツーツー。さぁ、首なしライダー顔を洗って待っていなさい。美和は久根商店街にあるスターという店に向かう。カランカラン。
「いらっしゃいませ」
柴の元気な声と集められた不安そうな面々を前に美和は告げる。
「走田一を殺した首なしライダーの正体がわかりました」
ざわめくファウストの面々。轟照美に起こった真実を知りたくて来た。楓と山波宇宙とHeavenのママであるアケミ。そんな中で1人が言う。
「犯人は鶴田啓吾だろ。ここにも来てねぇみたいだしよ」
貴方のその発言が聞きたかったのよ私は。犯人しか知り得ない鶴田啓吾の行方不明を知っている貴方の発言をね。私はさらに墓穴を掘らせるために聞き返した。
「それは、どういうことかしら?」
「あぁ、だってよ俺たちファウストのメンバーに首なしライダーの情報を流したのってさ。確か鶴田啓吾だったよな」
そいつは、自分が墓穴を掘っていることも知らずに周りのファウストメンバーに確認を取る。
「あぁ、確かにそうだ」
「そだそだ、啓吾だったわ」
「そかそか、ここに来てねぇ=犯人だよな」
「成程、納得だぜ」
「そうなのか?」
柴の一言にファウストのメンバーが驚くがソイツはその疑いをものともせずに切り返す。
「柴さんがしらねぇのは、無理ねぇっす」
「どういうことだ?」
「あの峠のレースは、鶴田啓吾が走田さんを殺すために仕組んだんすよ」
驚くファウストのメンバーを尻目に意気揚々とソイツは続ける。
「そもそも、走り屋の聖地である久根峠に首なしライダーが出るって言われて走田さんが怒らないわけないじゃ無いっすか。だからそこでレースして、首なしライダーなんて居ないって証明しようとしたんすよ」
そうだったのかと頷くファウストのメンバーと違い柴さんは言う。
「俺は走田からそんな感じはしなかったけどな。いつものくだらねぇ賭けレースの一幕にしか思えなかったが」
「それは柴さんがそう思っただけっすよ。なぁ」
ファウストのメンバーも頷いていている。柴さんもそう言われては引き下がるしか無いと何も言わないのでここで私が話を引き継ぐ。
「それはおかしいですね」
「はっ刑事さん、何言ってんだよ」
「だって、あの久根峠の賭けレースが貴方のファウストとしてのデビューだったんですよね。なのになぜ鶴田啓吾が走田一に久根峠に首なしライダーが出ることを伝えたことを知っていたんでしょうか?」
自分の失言に気付いたらしいソイツは、少し間を空けると切り返しに来る。
「たまたま、その現場を見たんすよ。俺も一応久根高校の一年生なんで」
「まぁその可能性もありますね。でも貴方は完全な失言をしてるんですよ。その前に」
「はっ何言ってんだよ。そんなわけねぇ」
「どうして、鶴田啓吾が行方不明なことを知っているんですか?」
「そんなの新聞やニュースで見たに」
「それはおかしい!そんな情報見ていない」
柴の言葉にファウストのメンバーだけでなく楓や山波宇宙も頷く。しかし、そこであの人が助け舟を出した。
「私は見ましたわよ」
Heavenのママであるアケミさんだ。アケミさんが見てないのを見たと言ってまで庇いたいのは1人しかいない。今も病院で目を覚まさずに眠っている轟照美の弟である轟翔だ。
「それはあり得ません」
「何故、言い切れるのかしら?」
「私がお願いして情報封鎖を徹底させて貰ったからです。新聞社の方には、そこにいるフリーライターの鈴宮楓さんを通して、事情を話して貰い。報道関係者には、柊管理官から徹底した情報の封鎖を行なって貰いました。知る由がないのです犯人じゃないと」
「そんなのネットで見たのよ。今の世の中ネットを見れば、なんでもわかるのよ」
「そうですか。では、お聞きしますがどうやって調べて、出たんですか?もちろん答えられますよね」
「そんなの知らないわよ」
「知らないでは通用しないんですよアケミさん」
「くっでも見たのよ」
「もう良いよアケミさん」
「えっ?」
「俺が走田一を殺したんだ」
「お認めになるということで宜しいですね」
「あぁ、まさか自分で墓穴を掘っちまうとはな。でも良いんだ姉さんと母さんと父さんの仇は取ったから」
「行方不明になっている鶴田啓吾。今朝発見された鶴田啓一も貴方が殺したんですね」
「あぁ、アイツらの私利私欲が姉さんと父さんと母さんを殺したんだ」
「照美はまだ死んでいないわよ。今も病室で必死に戦っているのよ。貴方、照美の弟の翔くんなんでしょ。どうして、家族である貴方が照美のことを諦めてるのよ。そんなの照美が可哀想じゃない」
「アンタに何がわかるんだ。毎日毎日、目を覚まさない姉さんの病室に花を替えに向かい。手を握ってうんともすんとも言わない姉さんに1日の出来事を話す。その辛さがアンタにわかんのかよ。姉さんの親友の癖に病室に一切訪れなくなったお前に何がわかんだ」
「私は毎日照美の病室を訪ねていたわ。仕事の都合で深夜にしか行けなかったけど看護師さんが10分だけならと通してくれて、会っていたのよ。貴方だけが辛いわけじゃないわ。思い上がるのも大概にしなさい」
楓の一喝で項垂れる翔。
「
「あぁ、認めるよ」
「では、話してください。全ての事件の
翔は全てを諦めたように話を始める。
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