第17話
「そう言えばシャン君は月の女神様を信仰している訳じゃないんだね」
「ん〜そうですね。なんか気分で月の女神神殿に行ったら。君の作った魔法を神官魔法にする代わりに聖痕を上げるって言われただけですし。形だけでも信仰している感出した方が良いですかね?」
「露骨なのは本気で信仰している人を逆ギレさせるだけだけど……様づけぐらいはした方が良いかも?」
「……そうですね。そうします」
そうは言ったけど。ん〜なんだろうな。何か神様を様づけで呼ぶのに抵抗があるんだよな。
俺的には様をつけて呼ぶ神は別にいる気がするんだよね……前世で何かあったのかな?
いや、なにかあった気がする。
「頭がッ」
前世については全てを思い出しているわけじゃ無い。
その思い出していないところになにか原因が?と考えたら頭が割れるように痛む。
カレアが凄い心配してくれるけど。
返事をする余裕はない。
「あ〜なるほど。そうかそうだったのか」
こう言うのって、もっと俺がピンチになった時に思い出したりするものな気がするけど。
まぁいいや。悪神やらトリックスターと呼ばれる北欧の神、ロキ。
俺が信仰し崇めるのはロキだけ。
ロキからは様づけとか気持ち悪いから普通に喋ってよ。これは命令ねと言われているから呼び捨てだし友達と喋るような感じで喋るけど。
だからこそ、ほかの神に様づけとかしたくないんだよね。
いや、あの人だったら寧ろ自分の熱心な信徒だと勘違いされるぐらいやらないとって言いそうだよな。
ロキが悪神とかトリックスターって言われているのには、そう言うところがあるからだ。
ラグナロクだって実際に引き起こしたってお酒飲みながら言ってた。
理由だって面白そうだからだもんな〜
まさに悪神。
殺した神々はラグナロクが終わった後復活させたらしいけど。
だからって……ねぇ。
他の神も久々に本気で戦えて楽しかった。そろそろ人間に力を貸すのはやめよう。
これからは人の力のみで繁栄するべきだって話が出てたから。
ラグナロクは人が神々が死んだとするのにちょうど良かったし他の神に特に恨まれて無いとは言っていたけど……それはないと思う。
恨まれてなきゃ、俺のことを唯一の友達とか言わないだろう。
(いや、恨まれてはいないけど。ロキはなにしでかすか分からないって避けられるんだよ。だからあえて付き纏って嫌がらせするんだけど)
そういうところですよ?
(僕のことを思い出した事によって僕が作った特別な魔法が使えるようになっているから上手く使ってね。ちょっとこの世界の神々とお話しないといけないから、続きは今度ゆっくり話そう)
多分だけど。俺がロキの事を思い出すのはこの世界の神々からしたら相当ヤバいことな気がする。
まぁ、ロキがどうにかしてくれるだろう。
「ご主人様?」
カレアが恐る恐ると言った感じで話しかけてくる。
「ん?あぁ、もう大丈夫頭痛も治まったしなんも問題ないよ。皆さんもご心配おかけしました」
影狼に騎乗した状態なので軽く頭を下げて謝罪する。
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「いや〜思ったより早く僕の事を思い出してくれたね。さすが僕のズッ友」
「何がズッ友だ!本当に貴様に関する記憶を全て封印したのか?だとしたら思い出すのはやすぎるだろう!それに貴様が与えたあの魔法。あれもチートだろう。何を考えている世界のバランスが崩れるぞ」
「いやいや。そこまででしょ?様々な物を複製出来るだけの魔法だよ?」
「その様々な物に生命すら含まれているのが問題なんだ。寧ろ地上に存在する物で複製できないものがないだろう。そんな魔法世界のバランスを崩壊させるに決まっている」
「まぁ、落ち着け月の。ロキは我々との契約を一切破っていない。……契約の範疇でやりたい放題しているが……」
「火の。それが問題なんだろうが!」
「まぁ、あちらの神々から『ロキと契約?そんなの絶対やめておけろくな事にならないぞ!ホントに』と散々言われていた意味を身を持って体験したと言うことでしょう。それに計画通り彼は月の、貴女の役にたっているじゃない。とりあえずは彼の動向を伺うってことで良いんじゃない?ロキが与えた複製の魔法で滅茶苦茶やるようだったらその時は神罰を考えないといけないけど」
「水の意見に賛成」
「私も」
「右に同じ」
「そもそも、このままでは月のだけ彼の恩恵を受ける事になる。それこそ不公平だ」
「お前たち、それが本音だろう!
あぁ〜もう、私はどうなっても知らないからな!」
「まぁまぁ、彼は僕と比べて優しいからね。世界を同行するつもりはないよ。と言うか絶対面倒くさがるだろうし」
「それに、彼。研究を途中ではあるけど。複製の魔法なんて無しでも世界を滅ぼし兼ねない魔法を作ろうとしてたしな今更だろう」
「あぁ、吸魔を組み合わせて、術者が死んだとしても外から魔力を補給し続け巨大化し続ける化け物ゴーレムを作り出す、影狼の上位互換を目指して研究してたんだっけか?確かに今更だな」
「もとより。ある程度のリスクは承知の上だった筈だ。狼狽えず、見守ろうじゃないか。危険ではあるがこの世界の停滞をどうにかしてくれるだけの力を持っていると言うのも確かなのだから」
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