第16話
「それにしても、シャンの魔力量はどうなってるんだ?ゴーレムを作り出して操る魔法はゴーレムを操っている間は常時魔力を消費すると聞いてるが。既に2時間ゴーレムを作り出した動かし続けてる。貴族の魔法使いでも魔力が尽きるんじゃないか」
「いやいや。貴族の魔法使いなら、この程度のサイズのゴーレムを一体、2時間動かしたぐらいで魔力が尽きたりしないですよ」
これは嘘じゃない。それだけ貴族の魔法使いは魔力量が多い。
まぁ、闇属性に適性を持っていれば魔力量なんて関係ないけどな。
「シャンくんの言う通り貴族の魔力量は桁違い。魔力量、属性の適性は遺伝する。両親だけではなくもっと上のご先祖さまからも。それもあって貴族は出来る限り。魔力量が多く属性の適性を持つ者同士で結婚する。まぁ、血が濃くなりすぎちゃうと魔力量とか属性の適性だとか言ってる場合じゃ無くなるから、妥協する事もそこそこ存在する。結果、シャンくんみたいな子が偶に生まれて生まれなかった事にされたりとかしちゃう」
「それはそれで、嫌な話だな」
「全くです。と言っても。その魔力量を持って民の事を守るからこそ特権を認められてると言う面も有りますからね。仕方ない面は有るのかも知れませんね。……魔力量が低く生まれてしまった本人からしたらたまったもんじゃ無いですけどね。まぁ 、この話は終わりにしましょう。続けても楽しいものじゃ無いでしょう?」
俺の発言を肯定そして補足してくれたのは疾風迅雷のメンバーの一人。チェルシーさん。
因みにこの人はエルフで、この国の貴族並の魔力量を持っているし。炎と風2つの属性適性を持っている。
相当珍しいが属性適性を複数持つ魔法使いがごく稀に存在する。
チェルシーさんは、その極小数の1人という訳だ。正直羨ましい。
なのにも関わらず。エルフの中では魔力が少ないって事で俺みたいに差別されてエルフの里を飛び出したらしいけど。
なんと言うか理不尽だって言いたくなるよな……
まぁ、エルフは魔法のスペシャリストだからな。
長命種で魔力量が多い。その代わり全体数が少ない。
まさにエルフって感じだな。
「シャンくんをみたら魔力量なんてどうでも良くなっちゃったけど。炎と風の適性を犠牲に属性適性を闇に変えられたら良いのに」
「隣の芝は青く見えると言いますし。俺からしたら属性適性を2つ持って魔力量も多い凄く羨ましいです」
複数の属性を同時に使った複合魔法とか使えそうだし。
この世界、2つの属性を融合した強力な魔法を使うみたいな考え無いんだよね。
2つ以上の属性適性を持っている人が少ないと言うか希少だからってのも有るんだろうけど。
光と闇を融合させたらどうなるんだろう?
(それやると、神罰対象だからやっちゃダメだよ?)
「うわ!!」
「ちょ、ご主人様!?」
突然頭の中に直接声が聞こえて、驚きバランスを崩して影狼から落ちかける。
気分転換にカレアが影狼に乗ってみたいと言うから後ろに乗せてなかったら落ちてたと思う。
ゴーレムだし、姿は狼そっくりなのは重要だけど。サイズはある程度自由だよなと思って少し大きめにしてあるので、大人2人は乗れないけど。
15歳と17歳なら2人で乗れるぐらいのサイズになっている。
一緒に乗っていたので俺が落ちそうになった瞬間抱きしめてくれたおかげで落ちずに済んだ。
「あ〜ビックリした。月の女神がいきなり話しかけて来るんだもん」
(仕方ないでしょ。光と闇を融合するのは冗談抜きで神罰案件だから知らなかったじゃ済まないし。君だと、言っておかないといつか実験しそうじゃん)
確かに、事前にダメだよって教えてくれなきゃ。どうにかして光と闇を融合させる実験をしてたかも。
(でしょ?でも、光と闇以外の組み合わせは自由に試してくれて構わないから)
そう言えば、火の上位属性として溶岩の魔法を作ったけど。
溶岩って火と土の複合魔法っぽいよね。
実際には火属性の適性だけで使える訳で。
それを言ったら雷もか……そう考えたら複合
魔法とか必要無いかも。
(いやいや。複合魔法も面白い結果が出るものもあると思うよ?と言うか魔石生成魔法のせいでちょっと他の神から良いな〜って言われて鬱陶しいんだよね)
つまり俺が作った魔石生成魔法のお陰で他の属性を司る神から羨ましがられてるから、他の魔法でも何か便利な魔法を作れってことか。
(ハハハ……本当、みんなワガママで困っちゃうよね〜)
実は月の女神が他の神に自慢しまくったせい
とかだったりするんじゃないの?
返事がない……いやまぁ、神様に俺が作った魔法がそこまで評価されるのは嬉しいけど。
複合魔法に関してはとりあえず試してみるか。
「体を支えてくれててありがとうカレア。月の女神との会話に集中しちゃってた」
どうも、月の女神から声をかけられるとそっちに集中しちゃうんだよね。
「神からお声をかけられたのなら仕方ないのでは?」
「確かにそうだけど。もし戦闘中とかだったら大事じゃない?」
月の女神もそこら辺は考えて話しかけてるとは思うけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます