第15話

「シャン殿について興味があるのは分かりますが。あまり時間をかけるとどんな妨害があるか分かりません。そろそろ出発して頂けると」


確かに。ちょっと俺が目立ち過ぎちゃったからこうやって先に出発するわけだからね。

ここで話を続けて、出発ウィー妨害されたら大変だ早く出発しよう。


取り敢えず乗馬できるように鞍を装備している馬が3頭、馬車に繋がれている馬が2頭。


なので、馬車を護衛するように乗馬して移動するのが3名、馬車を操縦する御者が1人。

4人が馬車の中で休憩って感じかな。

あぁ、俺は馬じゃなくて影狼で移動するから馬車の中で休憩する人員は3人かな。


「それじゃ、出発しましょう。ダルクルさん。自分はこの影狼に乗って移動するつもり何ですけど。どう言う配置で移動しますか?」


影狼を発動してこれに乗って移動する事を説明する。


「おぉ。ホントに色々出来るな。馬車の中が軽い方が馬車をひく馬も疲れにくいし、馬車も長持ちする。って訳で話が少し戻るが余裕があるならあの馬車の中の積荷も影の中に収納してくれないか?」


元々人が乗ることも想定しているから積荷がパンパンって訳じゃないけど。結構載ってるからな。

馬車が軽い方が馬が疲れないし、馬車が長持ちするってのはその通りだな。


「そうかも知れないですけど。そうなると積荷を全て俺が運ぶ事になるんですけど。疾風迅雷の皆さんからしたら初めてあった俺に任せて良いんですか?」


積荷を全て俺が運ぶということは、当然移動中の食料も俺が運ぶと言うことだ。

しかも疾風迅雷の人たちからすれば見た事ない魔法でだ。


初対面の俺の事をそこまで信用していいの?と質問した訳だ。


「いやまぁ、今回の件で物資の持ち逃げしようものなら一発で王国中で指名手配されるだろうし。賢いアンタなら持ち逃げしないだろう。それに俺たちはそれなりに名の売れている冒険者だ。収納袋も持っているから、物資の持ち逃げされようと。近くの街まで問題ないだけの保存食は持っているからな」


なるほど。実力を持った冒険者なら収納袋を使うのも難しくない。

魔物が魔石を持っている確率は強くなればなるほど上がるからな。後、確率だけじゃなくて魔石のサイズも大きくなる。


魔石はサイズが大きい方が魔導具の燃料として長持ちする。

その分、値段は高くなるが。

強い冒険者なら自分で強い魔物を倒して魔石を手に入れることが出来るからな。

魔石以外の素材になる部位だってかなりの値段で取引される。

収納袋の購入費、維持費を稼ぐ事も簡単だ。


なので、収納袋を維持できるか出来ないかと言うのが冒険者としての実力を証明しているとも言える。


「ダルクルさんの言うとうりですね。それじゃ、積荷は全部自分が運ばせてもらいますね。その代わりと言うのはアレですがカレアとクリスはずっと馬車移動でも良いですかね?」


「ん?あぁ、問題ない。最初からアンタを含め同行者はずっと馬車で移動して貰う予定だったし」


「ま、待って下さい!ご主人様がゴーレムに乗って移動するのに、奴隷の私たちがずっと馬車って言うのはおかしいかと」


「正直な話。馬車より、影狼の方が揺れが抑えられているから乗り心地いいと思うんだよね」


全く揺れ無いわけじゃ無いけど。車軸が車体に直付されている馬車に比べたら揺れは少ない。


「仕事が貰えないのが不安なんだったら、馬車に乗ってる間クリスに魔力操作を教えて上げて。闘気使いなら魔力制御出来るでしょ?クリスが魔力操作が出来るようにならないと本格的に魔法を教える事が出来ないからね」


闘気使いが使う闘気は魔力を変換したものなので、魔力操作が出来ない闘気使いは存在しない。


それにしても闘気も謎エネルギーだよな。

本で読む限り、闘気を作る為に魔力と別のエネルギーを混ぜる訳では無く。

魔力を圧縮して魔力の質を上げたエネルギーのはず。


なのに、闘気では魔法を発動させる事は出来ない。変わりに、身体強化とか武器に闘気を纏わせて斬撃を飛ばしたり出来る。


魔力では身体強化出来ないし、武器に魔力を纏わせただけで斬撃を飛ばすことはできない。

斬撃を飛ばすような魔法は存在しているけどね。


うーん。魔法を発動させるには普通の魔力がちょうど良いとかかな〜と思っている。


前世の物に置き換えると、100v用の器具に200vの電圧がかかると内部部品が焼損する的な。


普通の魔力が100vで闘気が200v。


だから、魔力で闘気のような身体強化を使う事は出来ないし。

闘気で魔法を使う事が出来ないんじゃ無いかなって。


まぁ、気になるけど。魔力と闘気の違いを研究するより。現在使っている魔法の最適化、新魔法の作成の方が重要だから。

魔力と闘気について研究するのはまだまだ先の話かな。


「分かりました。魔力操作が出来るようになるようスパルタで教育します」


「移動には時間がかかるんだし。焦らなくて良いよ」


「まぁあれだ。嬢ちゃんはお人好しに買われてラッキーって思っておけば良いじゃないか?」


「あぁ、渡し忘れてましたが。ご注文の双剣です。予備の予備ですが。武器の質的にはそこそこのものです」


あーそう言えば、双剣頼んでたな。

双剣をスレイさんから受け取りカレアに渡そうとすると。また、まだ私は何もしていないですよ!と受け取り拒否されてしまった。


うんまぁ、カレアの立場から考えると俺って胡散臭さが半端ないんだと思う。

と言っても双剣は受け取って貰わないと、俺を護衛すると言うメインの仕事に支障が出るからね。無理やり押し付けた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


読んでいただきありがとうございます。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る