第3話 先生は無慈悲
「あのね、千隼くん。」
柏木先生と二人きり。
登校してすぐ、僕は小さめの教室に呼び出された。
歩夢との時間が減っちゃうじゃんか。
「私としては面白いのでそのままでいいんですよ。ええ。面白いので。」
「全然面白くないんだけど。こんなのが担任だなんて終わってる。」
「従兄弟だからってそんなこと言って。まったくもう、甘えたなんですから」
この変態めと、睨みつけても笑顔が一切曇らない。
むしろ輝きが増した。とんでもない変態だ。
「そのお面。どうせ目が腫れてるからとかそんな理由でしょう?」
「大問題だよ!」
「サボるなりなんなりすればいいでしょうに。どうせ歩夢くんと過ごす時間が減っちゃう!とかそんな理由でしょう?」
「超々大事な理由でしょ‼︎」
はぁと見せつけるように柏木先生はため息をつく。
「アレは厄介ですよ。止めといた方が貴方のためになると思うのですが」
「僕じゃ無理って言いたいワケ?」
柏木先生はわざとらしく肩をすくめる。
「まさか。言葉のまんまですよ。」
「意味わかんない。僕、諦めないから」
「僕のこと見向きもしてくんなくったって僕は歩夢が好きだもの。」
僕は真っ直ぐ柏木先生をみた。
柏木先生は僕から目を逸らさなかった。
「まぁともあれそのお面は没収です。」
「イヤ」
「ンフッ。ちぃちゃんったらもう!イヤってかわいいな」
「ちょっと、ホント止めてくれる⁈」
「無理ですね。もう腹を括りなさい」
そして僕はお面を奪われた。
好きなんだよって話です 灰雪あられ @haiyukiarare
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