出る杭は打たれる

 昨日多くの会社で入社式があったようで、テレビニュースでそのシーンが流れている。気になったのは髪型と服装だ。みんな黒髪で長髪の女性は髪を束ねている。スーツ姿で一人残らず黒色だ。


 自分も社会に出た時は、とある企業に就職したが入社式はグレーのスーツだった。中にはこげ茶色のスーツを着ている人間もいたのを覚えている。まさか会社側から黒にしろと言われているわけでもないだろうから、今の若者たちが自主的にそうしているのだろう。


 そこには何か重苦しい社会の圧力のようなものを感じてしまう。きっと彼らも二年ぐらい前は自由な髪形と髪色で、好きな服装をしていたのだろう。1年前となると就職活動が始まって徐々に型にはめて行った頃かもしれない。


 幸運にも普段学生さんと触れ合う機会があるのだが、この入社式の風景には違和感しか感じない。本当に若い人たちは頭も柔らかくて、スポンジのように色々な事を吸収していく。彼らをこんな通り一辺倒の型にはめていくような社会全体としての圧力があるのであれば、そこを改善しないと日本がまた世界の中で浮上していく事は無いんじゃないかという、嫌な予感がしてしまう。


 漫画とかアニメなどの、以前であればサブカルチャーと呼ばれる分野で、日本は今でも世界をリードし続けている。その業界に携わる若者は、逆の意味で髪は黒いかもしれないが、冠婚葬祭以外で黒いスーツなどは着ることが無いんじゃないかと、そんな偏見を自分は持っている。この偏見は本当に偏見なのだろうか?


 もちろん若者もしたたかなので、どうせ就職で使うスーツであれば冠婚葬祭にも使えるブラックスーツがコスパがいいなんていう計算が働いていて、煩そうなおっさんもまだ上の方に残っているので、そういう連中が生きているうちは余計な波風は避けたほうがいいという軽い感じかもしれない。


 ちなみに自分も、今は冠婚葬祭以外ではスーツは着ない。というか冠婚葬祭用以外には持っていない。正月に着る着物なら持っている。

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