書く者と名乗るのは

告白

　読者の皆様へ

　謝らなければいけません。

　私は竹村啓里ではありません。

　携帯小説サイトで竹村先生を知り、ファンになり、先生の小説がオフラインでも読みたくて、コピーして自分のスマホに保存していました。

　この小説も竹村先生が続きを書かれるのを楽しみにしていました。

　なぜなら、当時、私はこの主人公と同じように、彼氏に浮気をされていたのです。

　先生が書かれたのは、浮気をされたと主人公が思ったという所までで、後は私が書いたものですが、この通りのことが私の身に降りかかりました。

　彼氏の浮気相手に、突き飛ばされて、電車にひかれ、三年間意識不明でした。

　起きた時には、世界がまるで変わっていて、先生は携帯小説サイトから姿を消され、どこで活動されているのかも分からない状態でした。

　そんな時、スマホに先生の小説を保存していたのを見つけて、小説投稿サイトに投稿してみようと思ったのです。

　そうすれば、本物の竹村啓里先生が現れるかもしれない。

　本当はしてはいけないことだと分かっています。

　しかし、私は、先生の小説が読みたかった。きっとあの続きはハッピーエンドだったから。

　これをもし、竹村先生が見ていたら、言いたいことがあります。

　絶望的な私を救ってくれたのは、あなたの小説です。

　ありがとうございました。

　多分こう書いたら、カクモノ運営から、消されると思います。

　読んで下さった方、今までありがとうございました。

　賞に応募したのは、完全に私の欲です。

　書いているうちに、応募したくなってしまいました。

　すみませんでした。

　私は衝動的に、コメントを書いた。

　――こちらこそ、ありがとう。竹村啓里は、カクモノでは渡村柚希として活動しているよ。