第10話 尋問と幹部会議②
「ワイバーン倒せたら学園で習うことなんてないな貴族でなければ人脈なんか要らんし」
マック隊長が解説してくれた。そう言うことね、学園はワイバーン出せるほど魔力を引き上げたりはしないだろうし器用に使うことは教えるだろうけど学園にはオーバースキルなのか。
確かにこの敷地にいると底上げ感がすごい、身体強化限界までしたらマック隊長倒せそうだ、ゴメン。
グレン騎士団長やさっきの一番トップの黒髪の人はダメだ勝てない!底知れない剣技の実力があるのはわかる。剣なしの身体強化のみのステゴロ勝負でも絶対無理だな。
「マックは隠してたの?このかわいい子をお嫁にもらおうと思って?」
はっ?っとマック隊長が声を上げたのは、お色気美人さんからの発言だ。
「女神さま、発言よろしいですか?」小さく手を上げて女神様に聞いてみる。
「あら、わかってる子ね。ベアトリクスって呼んでちょうだい、なんでも言ってもいいわよ」
女神ことベアトリクス様から発言の許可いただいた「ありがとうございますベアトリクス様!無料でお話しさせていただいて感謝します。マック隊長は人柄は素晴らしいんですが夫として考えると教会に喜捨が多く資産管理の面等で甲斐性なしなのであり得ませんね」
なんじゃそりゃあとマック隊長に言われた。大恩があるから下げてから上げればよかったな。
「まあいい。なんだか騎士団入りは決定事項みたいだな!俺の隊に来い扱いてやるぞ」
「Yes Sir!お手柔らかにお願いします」軍隊式の敬礼しておく、右手を左胸に置く命捧げるポーズの方がよかったかな?形から入るの重要よね!
「お前なぁ、お手柔らかにとかないんだぞ魔物はお手柔らかに来てくれないんだぞ」
やっぱこれか、命捧げるポーズにしとく。なんだそれって言われたのでポーズの説明しといた。
「異議がないようなら入団許可でいいですね」グレン騎士団長が場をまとめる、できる人だ!会議は短時間で効率的にするべきだよね。
「いいのか?騎士団の倍率高いのに中途で女で反感買うんじゃないか?」
「選抜試験は高倍率ですが落ちた方は訓練にいないので問題ないでしょう、実力は保証しますよ」騎士団命みたいな風貌の幹部の方からのイチャモンみたいな質問に華麗にグレン騎士団長が言葉で躱す。
これはここで私の実力を見せなきゃだよね?
黙らせるようなやつ。そうだ召喚しよう!
竜関係はバリエーションが多岐にわたっているから共通認識の竜を出す自信はないから竜は竜でも水龍!
リバイアサンなら私の常識とこちらのと合ってそう。
「じゃっ入団記念に召喚します!集いし願い神聖なる水の封印を解き放ち一時の顕現を、召喚!リバイアサン!!」それっぽい詠唱しとく、インチキ詠唱だか。
会議テーブルで囲む空間、私の前に青く波打つ魔法陣を展開させて下から鱗に牙に角にフル装備な水龍を頭から顕現させていく、天井が高いのでフルに活かしてそれっぽい水龍を出した。会議室の風景も大海原にしておく、嵐の大海原の風景だ。雷のエフェクトも忘れない。
「これが一番の得意な魔法なんです、視覚効果エフェクトですかね。部屋を別の空間のように視覚認識させるのとインチキ…じゃなくて幻の召喚術ですね」
数秒たった。
すごく長く感じる。
「じゃっとか軽く言って物騒なもの出すなよ」他の幹部たち絶句してるのにマック隊長はポケットからナイフでも転がり落ちたかのように言ってくれた。他の幹部からは未だ絶句されてるので間違っていたのであろう。
「もしかしてリバイアサンって見た目違いますか?もっと有名なのがいいのですかね?」あれか?
「よし!地獄の番犬ケルベロス」
周りの背景を冥府のイメージにして涎を垂らした三つ首の犬を出してみた、どうだろう?
静かだ。
はて?と考える。このニッチな魔法はあまりありがたくないのかも?パーティー魔法だしね。騎士団でやってくためには身体強化とそれを他人にもバフとしてかけることの方が重要なのでは?訓練始まったら他の団員にかけさせてもらおう!
攻撃魔法は炎出してファイヤーボールとしてぶつけよう、エレメント系は初歩的なのは出せるしこれで行こう、学園でも生徒は単一のエレメントだったしね。
「今のでは実力わからなかったですよね?じゃやったことないですけどファイヤーボール!」手のひらに20センチくらいの炎を出して上空へ投げる!天井に着く前に消失させる。
「氷の刃ー」「風神」「サンダーボルト」「ブライトニング」「メテオ」同じように天井に向けて打って打ち消す。土も行こうか?水もまだだし、技の名前なんて言おうか無詠唱で出せてもそれっぽい言葉を付けたい。せっかく魔女っ子なのだから。
静かだ。
土ってなんだっけ?タイタンしか思い出せん、タイタンはまずいよね衛星とか名前違うだろうし。あと何かな?毒と石化は無理だし、精神を操る系はできない。でもかけられた時の対策はしないとだよね、理性失うとかこりごりだよ!精神的ダメージ半端なかった。
静かだ。
ネタ切れか?自分。まずはこの重い空気変えなきゃだ。とりあえず風景は冥府のままだったから春の草原に変えて花吹雪舞わせて妖精さんを飛ばしとく。
皆さんに風景を堪能してもらってるうちに次のプレゼンを考えなきゃ。
「さっきの黒い球何?」風景のツッコミなしで魔術師団長から質問だ!ザカリアスと言うお名前でしたね。さすが魔法オタク!もはや魔法フェチだな!「メテオのことですね隕石系です!」もう一度放ってみる、花舞う草原にメテオなんてパイ食べたら魚パイだったみたいな組み合わせだな。
「おもしろいね」うけた!そうそれよ私の魔法は攻撃系よりウケ狙いなのよ、パーティー魔法ですからね。
「おもしろい系がいいですか?でも対魔物ですと視覚のエフェクトでどこまで反応あるかわかりませんね、やっぱり反属性エレメントで攻撃がいいですよね」魔物はびっくり箱でびっくりしなさそうだしね。
私が思考に耽っていると魔術師団長は私以外の幹部向けに説明し出した、視覚に訴える系は独自性があって属性魔法は威力はないけど属性が多種類あり基本の属性はきっとあるはずだとか。
学園に置いといたら目敏い貴族の養子にさせられるかも知れないだとか警備に傭われるだとか言われてる。
昨日まで考えたことなかった騎士団入団が決定になりつつある。私の本心としてはお金の心配がなくて尚且つ基本的人権が確保されれるところにいたい。
あと、環境的に罵倒してきたり人格否定してくるような人といたくない。
思い出したくない過去が胸で疼く、そんなものに囚われて有限なる人生が勿体無い!胸の奥に鎮める。
騎士団は大丈夫なのだろうか?頼れるマック隊長もいるしグレン騎士団長改めグレン団長は眼福で優しくしてくれたし騎士団は王国臣民からは絶大な信頼と人気あるしなんとかなるよね?
最悪逃走すればいいもんね!
前向きに考えようぜ、自分!
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