第9話 尋問と幹部会議


 円卓の会議室に通された。円卓の下の席は取り払われ被告人尋問のような形だ、証言台はなく立たされて案内してきたグレン騎士団長は自分の席に座った。


 末席にマック隊長発見、とりあえず敬礼しとくと苦笑いで返された。


「それでは臨時の新人騎士団員の採用について幹部の皆さんに説明したいと思います。」グレン騎士団長が進行役のようだ、グレン騎士団長みたいなタイプは珍しかったらしく、山のような筋肉の幹部やそのセットどうしてるの?少年漫画の主人公の様な髪型の幹部がいたり、泥棒の謎の仲間の女のような谷間にお色気たっぷりの美女がいたり。


 マック隊長はどうやら私の保護者枠らしい、他の幹部の制服の感じだと隊長クラスはいない。

 あの魔術師団長もいたから他団の師団長クラスなんだろうな?大丈夫?私。


「なんだ普通の嬢ちゃんじゃねーか」


 魔法魔術学園の制服はブレザーにリボンに膝丈スカートである。円卓の一番上座に座っている青年から言われた。

 この方は騎士団を取り纏めている元帥?総帥?総督?かと思われる。

 厳つい顔に古傷あったりアイパッチしてたりする脂の乗り切った中年男が務めている思ったけどグレン騎士団長の少し上くらいの年代で背格好は同系統の男性だった。だがタイプは別でイキってるような青臭さがただよう。


 若頭と言って過言ではない。


 黒髪で少し緑がかった金色のニャンコのような目の色だ。強いのはわかる探らなくてもわかる、いや探ってしまったらしい。


「おいおい、嬢ちゃんチリチリさせるじゃねぇか?やるのか?」やる訳ねえだろ!

「発言よろしいでしょうか?大変申し訳ありません、王宮に張り巡らせてある魔法で普段は大したことない私の魔力が増強されてるようでサーチ魔法が過剰に効いたようです」

「そうなのか?ザカリアス」魔術師団長に聴いてるようだ。

「増強されることも稀にあるみたいだね人によるけど。王宮内で使えないのもあるし」

「そうですよね!普段は得意なインビジブルが使えません」

 六角形の戦略図柄を纏ってインビジブルを使ってもほんの少しカラダ全体が薄くなるだけの様を見せた。


「あと髪色始め頭部は別色に偽れませんし装飾も本人と認識できないレベルにはできません」


「ホントに魔法が使えるんだな」

出来損ないのインビジブルしか見せてないのにマック隊長に感心されてしまった。

「特に魔法を使う必要もないと思いましたので」教会の日常生活では魔法をおもてだって使う必要は全くなかった、もちろん魔法を使えると知られてないときは探知魔法かけて家事の時短に使いまくっていた。


「説明に戻ります、ロゼット・ロジャース嬢の経歴履歴ですが年齢は17歳です、魔法を認められ今年度王立魔法魔術学園の2年生に編入されました。出身は滅亡状態のトレバス国です、親族はなくトレバス辺境でマック隊長に保護され、マック隊長の生家でもあるセントラル東教会で暮らしていました。

魔法の属性はクリスタルの色彩がローズ色になりましたロゼットさんの瞳の色でしょうね。特殊な魔法が使える為でしょう。属性の登録はザカリアス魔術師団長と詰めることにします。特出すべきは魔法の対魔検査でクリスタルに保存されてる最高のワイバーンが出現しました」


 水を打ったように鎮まる、誰かなんか言えよ、グレン騎士団長お話続けて!それとも解説しないといけないの?そこバーサーカー状態で記憶ないのに。

ワイバーンて二本足に翼のドラゴンだよねあれから確かめようと思ったけど時間なかった、4本足に翼のドラゴンじゃないほうね、なんとなく邪悪そうだよねそれ出した私も邪悪な魔法使い扱いなのかな?処刑コースなんてないよね?


「そしてそのワイバーンを魔法で錬成した双剣により自ら駆除したことでザカリアス魔術師団長と協議して騎士団に迎えることにしました、ほかの新人団員は座学の基礎訓練終わっているので私の方で手隙時間に指導したいと思います」


 説明続けてもらえてよかったけど、えっと?魔法学園退学ですか?


 じゃなくて騎士団に入団?兼務かな?


 私魔物と戦えるかな?


 ここで闘い方習うって事?


 スライムを退治して仲間にできたりする?


 

 これだけはわかる。グレン騎士団長はグレン団長って呼ぶことでいいのね。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る