2
学校をでて潮風を切る。
激坂を披露山のてっぺん、海の見渡せるヤンんちのアパートまで一気に駆け上がる。
「はぁ、はっ、」
披露山につづく坂はリレーアンカーのぼくでも、爆走すれば脚がガクガクする。ハルカと、ハルカに引っ張られてシュウもやっと追いつく。息絶え絶えに…、
「期待通り」
…え?
知った声に顔を上げる。
「まってた、」
予想しない展開に一瞬、思考がとまる。
だれからの目も避けるみたい、蔦に覆われたアパートの前には、
「おじさん、」
パパの友だち、お巡りさんが、柄の悪い笑顔で立っていた。
「のりな、」
て、よこに待機している『廃車だよね?』て、潮に錆びたビートルをたたく。
「ヤンに、あわせてやるよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます