2



 え、また告白? まさかあの兄貴か?


 「パパにバレちゃって! 外泊!」


 え? え? てか、内緒できちゃったの⁉︎


 「怒っちゃって、」


 あたりまえだろう、オレでも怒るしなんなら相手を殴ってるだろう、いや殴るじゃすまないだろう。


 「勘当だって。だから、」


 ちょっと、ちょっと、そんなことならもっと悲壮感をだしてほしい!


 「きょうからくじらさんち泊まりますね!」


 ちょっとまって!


 オレは家とかに住んでない。いや、空き家を転々と拝借しているがそこにまさかユリちゃんを連れてはいけない。


 「犬と猫、飼いましょう!」


 ユリちゃん、


 「海が見える高台がいいですよね、で、家庭菜園も…」


 ユ、…あぁ、…はい、


 犬と猫つき、庭つき、一軒家。

 どうやってそんなもの盗むかな、なんてさっそく算段しながらワーゲンバスを走らせた。


【つづく】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る