第4話

円盤が海面を抜け出し、高度を上げるにつれて周囲の景色が変化していく。青く澄んだ海が次第に小さくなり、蒼い大気圏が見え始める。そして、それを抜け出した先には真っ暗な宇宙が広がっていた。


マーニャはコックピットの窓から眺めながら言った。「これで、私たちは宇宙に出たわね」


美紗は目を輝かせながら外を見ていた。宇宙という未知な世界に興奮を覚え、言葉が出ないほどの感動に包まれていた。


すると、突然、外側から機体に異変が起きたかのような振動が伝わってきた。マーニャは落ち着いた声で言った。「大丈夫よ、これは通常の現象よ。宇宙空間に入ったときに起きるものなの」


美紗は安心した表情を浮かべた。円盤はしばらくの間、静かに宇宙を進んでいた。

すると、突然円盤の周りに光が集まり、それが円盤を包み込むように広がっていく。


「さあ、もうすぐ超空間に入るわ」

 マーニャはいった。

「ここを抜ければ、わたしの星よ」


 マーニャの母星は、太陽系から46光年離れたG型恒星の周りをまわっていた。

 直径は地球よりやや小さく、表面は海で覆われている。


「マーニャ、その星、どんな星なんですか?」

美紗が聞くと、マーニャは微笑みながら説明を始めた。


「私の母星は、海が全てを支配する美しい星なの。星全体が青く輝き、水面に反射した光が、星の周りを取り巻く綺麗なリングを形成しているの。そして、私たちの住む都市も、海底に位置しているわ」


マーニャが話すと、美紗は想像力を掻き立てられるような情景が浮かび上がってくる。海の中にある都市とは、どんな風に造られているのだろうか。どんな生物が住んでいるのだろうか。美紗は興味津々でマーニャの話を聞き続けた。


「でも、私たちの星には、宇宙からの侵略者が現れたことがあるわ。彼らは、私たちの美しい星を荒らし、生態系を破壊していったの。それからというもの、私たちは宇宙を旅して、同じように苦しむ星の人々を助けることに決めたの」


マーニャがそう語ると、美紗はマーニャの勇気と使命感に感銘を受けた。そして、自分にも何かできることがあるのではないかと思った。


 そのとき、気がついたことがあった。

「まさか、あのウツボ怪人は……」

「そうよ。わたしたちを追って地球にやってきたのよ。はやくやっつけなければ……」


「どうすればいいの」


「そのウツボ怪人を倒すには、彼が生きている限り彼の母星へ行くしかないわ。」とマーニャは言った。


「母星に行くの?」と美紗は驚きを隠せなかった。


「そう、母星に行って、彼が持っているコントロール装置を破壊しなければ、地球は危険にさらされ続けることになるわ。」


マーニャは制御室に入り、コントロールパネルを操作し始めた。美紗はそばで見守りながら、彼女が何をしているのか理解できなかった。


数分後、宇宙船は超空間を抜け、目の前に母星が姿を現した。それは美しい蒼い星で、たくさんの青い海に覆われていた。しかし、その平和な光景を邪魔するように、ウツボ怪人がその上空に浮かんでいた。


マーニャは宇宙船を急速に降下させ、ウツボ怪人の近くまで接近した。そして、船外に出て怪人に向かって突進していった。

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