第3話
マーニャは、美紗に微笑みかける。
「じつは、あなたにお願い事があるのです」
「なんですか?」
「宇宙船を探してください」
「へっ?」
あまりに驚いたので、間抜けな声を出してしまった。
「宇宙船を探して欲しい理由は何ですか?」と、美紗は尋ねました。
マーニャは、悲しそうな表情で答えます。「私たち人魚たちが住む海には、異常な現象が起きています。海の生態系が崩れ、生き物たちが次々と死んでしまっているのです。それに、最近海底から謎の光や音が聞こえるようになってきました。私たちは、これらの現象が異星人の宇宙船によるものだと考えています。そして、その宇宙船を探し出して、異星人との交渉を試みたいと思ったのです。」
美紗は、信じがたい話だと思いましたが、マーニャの真剣な表情を見て、なんとなく彼女の話が本当のような気がしました。
「わかりました、私が探します」と、美紗は頷きました。「でも、どうやって探せばいいですか?」
「海の星に住む私たちは、海の中の動きを感じ取ることができます。あなたが地上にいても、海の中の変化を感じ取ることができるかもしれません。どうか、力を貸してください」と、マーニャはお願いします。
美紗は、少し戸惑いながらも、マーニャの願いを受け入れました。それからしばらくの間、美紗は海の中の異変を感じ取るため、海の中をあちこちまわりました。するとある日、彼女は海底からの不思議な音を聞きました。その音が、宇宙船からのものだと信じた美紗は、マーニャにそのことを伝えました。
そして、美紗は、マーニャたちと共に宇宙船を探し出す冒険に出ることになったのです。
「あれは……」
マーニャが指さすところには、桃色サンゴにきらめく水晶をちりばめたような円盤がありました。しかしその円盤は、おおきな岩に挟まっています。
「動かしましょう」
美紗が近寄ると、突然不気味な声が響きました。
「ふっふっふっ……」
なんと岩の影から、このまえ撃退したウツボ怪人が登場したではありませんか!
「こんどはお前らには負けないぞ。ほれ」
そういって耳の辺りを指さしました。なんと怪人は耳栓をしていたのです。
「くっ……」
歌を聴かせることが出来なければ、ミネアはどうすることもできません。
「どうすればいいの」
「わたしにまかせて」
美紗が怪人に向かっていきます。
「どうするの!?」
「こうよ!」
美紗は怪人の腹に向かって跳び蹴りを食らわせた。
「ぐ……ぐええ」
怪人は悶え苦しみ、深淵へと沈んでいった。
「……さあ、ようやく乗り込めるわ」
円盤の真上にあるハッチを開けて乗り込んだ。
「まだ装置は生きてるわね……発進!」
円盤は動き出し、海面へ向かってぐんぐん上昇していく。
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