第38話 想いを重ねて
ムラムラが止まらない。
やっと念願の時が来たのに、あんなにエロい顔した癖に、焦らすなんてあんまりだ。
目の前に並べたケーキを見つめながら、ムラムラを必死に堪える。
隣では瑞稀が美味しそうだなと笑顔を浮かべて、ケーキを頬張り始める。
その事に小さくため息をついて、俺もケーキを食べ始める。
早く食べてしまえば、早くベットに行ける・・・そんな俺の思いが、フォークに伝わり、大口でケーキを食べ進める。
そんな俺を呆れた表情で瑞稀が見ているが、気にも止めずに食べ続ける。
先に食べ終わった俺に、盛大にため息をつきながら瑞稀はカバンから箱を取り出し、俺の目の前に置く。
「俺が食べ終わるまで、これを開けて待ってろ」
そう言いながら、またケーキを食べ始めた。
俺は目の前にある箱を手に取ると、慎重にリボンを解き、包みを開けていく。
箱には小さな石が付いたピアスが入っていた。
俺も瑞稀も開けてないのに、どうして・・・と疑問に思いながら瑞稀へ視線を向けると、それに気付いた瑞稀がまたカバンをゴソゴソと触り始める。
取り出したのは二つのピアッサーだった。
「一緒にあけないか?」
「え・・・?」
「学校では禁止されてるけど、これくらい小さいと髪で隠せばどうにかなるだろ?」
「でも・・・なんで・・・」
「お前からもらったリング、今日は指につけてるけどいつもネックレスにしてるだろ?それはそれで、お前も持ってくれてるし嬉しいけど、周りに言えない分、もう少し恋人だってわかるものが欲しいなって思って・・・。三年に上がって同じクラスになるとは限らないし、お前は相変わらずモテるし、なんか気休めだけど俺たちだけにわかる印が目に見えてると安心するかなっと思って・・・」
瑞稀の言葉に俺は目頭が熱くなる。
「お前もこれで少しは安心してくれるかなと思ってさ。まぁ、俺はモテないからそんな心配はないけど・・・」
「そんな事ない!瑞稀はわかってない。自分がどんだけ可愛くてモテるのか」
「可愛いって・・・まぁ、いいや。幸い、今日は週末だからこのピアッサーについてるピアスをつけて、学校始まる頃にはこのピアスを一つずつ付けよう」
瑞稀はにこりと笑って箱に入っているピアスを指差す。
俺はすぐにピアッサーを手に取り、包みを開けていく。瑞稀は今っ!?と慌てた声を出すが、俺は無言で開けていく。
そして、瑞稀の耳に触れると確認を取る。
「いい・・・・・?」
その言葉に観念したように目を閉じ、こくりと頷く。
俺は、一緒に付いていた消毒綿の入っている袋を開け、瑞稀の耳たぶを丁寧に拭く。そして、ピアッサーを当て、バチンッという音を立てて開ける。
痛かったのか少し目を潤ませそっと目を開ける瑞稀の頬にキスをした後、もう一つのピアッサーを瑞稀の手に置く。
「俺にも付けて。瑞稀の物だっていう印・・・」
その言葉に顔を赤めながら頷くと、瑞稀はそっと俺の耳たぶに触れた。
ひんやりとした部屋に、小さく漏らす瑞稀の声とクチュクチュと言う音が響く。
準備をしたと小さく漏らした瑞稀の言葉に興奮した俺は、耳を開けた後、すぐさま瑞稀を部屋のベットまで抱えて運んだ。
うつ伏せでお尻を突き出し、俺の指が動く度に体を震わせる瑞稀の姿がエロくてたまらない。
活気的な瑞稀はどちらかというと冬でもほんのり小麦色だ。
だけど外に出ない肌は真っ白で、柔らかく、艶かしい腰の動きが俺の欲をかき乱す。
十分に慣らした後、ローションが付いてない方の手で袋を取り、口元で袋を開ける。袋の中身を付けると、瑞稀のお尻にそれを当てる。
柔らかくてぷっくりとしたお尻を撫でた後、腰を掴み、ゆっくりと押し進める。
興奮している気持ちとは裏腹に、瑞稀を怖がらせないように、なるべく痛まないように進めるが、小さく漏れていた声が聞こえなくなり、俺は顔を覗き込む。
枕に顔を埋め、瑞稀がどういう表情をしているのかわからない。
俺は一度引き抜くと、瑞稀の体の向きを変える。
真っ赤な顔に涙を流す瑞稀に固まってしまうが、瑞稀がそっと俺の手に自分の手を重ねる。
「大丈夫・・・だから、きて・・・」
その言葉に、俺は素早く瑞稀の腰に枕を滑り込ませ、瑞稀の物を摩りながらまた押し進めると、苦しそうな吐息からほんの少し甘美の声が漏れる。
全てを瑞稀の中に入れた瞬間、目の前がボヤける。
嬉しくて涙が零れ落ちる。
そんな俺に瑞稀は手を差し伸べる。俺は瑞稀を抱きしめキスをした。
「瑞稀・・・好きだ。大好きだ。俺、本当に嬉しい」
俺の言葉に瑞稀はにこりと笑って、俺もと答えた。
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