第8話 進行度
1過ぎになるとフードコートがすいてきて席を取ることができた。二人が昼食を取りに行っているので、席がとられないように一人座る間、少し前の6との会話について考えていた。
(なんともない?って、もしかしてなんかおかしなとこあったのか?)
ボタンを押したことで何億年もの時間を過ごしたわけだから、6から見ると違和感があったのかもしれない。あの雰囲気の変わりようが気になるけど、心配している感じと考えたらそう聞こえた気がする。
(僕にとってはものすごい時間だったけど、6からしたらたった数日だしなにか気になるところがあっても不思議じゃないか…)
これからは少し気をつけないと…
「ん、おかえり」
鉄板の焼ける音と足音に振り返ると、6がすでに戻っていた。ただいまとだけ返して隣に座った6が買ってきたのは、にんにくの匂いがいを刺激してくるペッパーライスだった。肉が多く結構ボリューミーで、何を食べるかという議題の脳内会議を即解散させるほど美味しそうだった。
「それいくらだった?」
「……900。大盛りにしたから」
意外と高い…と思ったけど大盛りでその値段か…。昼飯で約1000円使うのは少し気が引けるが、鉄板から漂う匂いが…あぁ、無理だこれ
席を立ちバッグを肩にかけたところで店がどこにあるのかわからないことに気づいた。
「ねぇ、それ買った店ってどっち?」
「向かい側にある。…買いに行く気?」
「うん、んじゃ行ってくる。先食ってていいよ。」
それだけ言って、僕は店があるだろう方向へ走っていった。
その後はペッパーランチとクレープを食べ、久々の外食を堪能して帰った。
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