第5話 失敗

「もう7時よ〜。早く起きなさ〜い。」

「ふぁ?」


懐かしい声で目が覚める。そのまま天井をぼーっと眺めるが、僕は混乱していた。


(えっ、ここって…僕の部屋だよな。でもさっきまでボタンの中で…えっ。)


布団の中で状況を整理しようと目覚める前までの記憶を掘り返す。


えっと…たしか14の家でパソコンのなんかよくわからないサイトてボタンを押して、その後暗闇の中で修行やらなんやらして、技名のインスピレーションが浮かんだと思ったら…ベッドの上だったと。


(これって3000億年が終わったってことなのか?でも、だとしたらなんで咲也の家じゃなくて僕の家のベッドで目覚めたんだ?)


もちろん、全て夢や妄想だったという説もあるがだとしたら14の家で遊んで帰って寝るまでの記憶がないことの説明がつかない。そして現在、朝ごはんを食べながら見ているニュースでしっかりとと一日経っていることがわかる。どう考えても夢とは思えないが…そんなことより…


(ココアうんまっ)


いつもの朝食が久しぶりに感じるせいか、ココアがとても美味しく感じる。懐かしく感じることから3000億年は夢ではなかったと考えられるがそんなことを考えていても意味がないのでもうどうでもいいということにして、朝との日差しを感じながら、気持ちの良い朝食を続けたいと思った。



 数時間後


「ハッ、電話!!」


リビングから聞こえてきた音で目を覚ます。やばい、二度寝が気持ちよすぎていつの間にか電話がかかってくる時間になっていた。それはいつも通りなのでいいのだが問題は宿題が全然終わっていないことなのだ……まぁ、明日から頑張ろ!!!


「もしもし?行く。じゃね。」



よし、1時までまだ時間があるしご飯を食べてから行くとしよう。




昼飯を食べおわってから少しゴロゴロしているといつの間にかいつも出発する時間を過ぎていた。焦った僕は家のカギや財布などのものだけバックに入れて家を出る。


(やばいけど、急げば間に合う!)


そう思って自転車にまたがり、おもいっきりペダルを漕いだ。


うん…たしかにおもいっきりこいだけど……自転車が空中一回転するとは思わないじゃん。

そんなことを考えながら僕は空中で体制を整え少し曲がった自転車を持ち上げ着地する。


これは…本格的に夢じゃなかったっぽい


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