第2話

 じごくは、サイコーでサイテーなところ。オレはおんなのこたちと、たのしくあそびたかっただけなのに。じごくには、おんなのこがいない。おんなのこみたいなのはいるけど、たのしくあそんでくれない。



「あーやっちゃってた」



 ハンマーでふっとばされたナイフを、さがしにきてみたらこれだ。サイエセンセーがしんでる。これはオレが、やっちゃったってことになるの?

 えー……でもなぁ、こーゆーの、そう、センセーがいってた。なんだっけ、フカコーリョク? オレのせいじゃないってやつ? どうだろ、うーん。

 とりあえずナイフをかえしてもらったら、センセーのあたまからいろいろでてきた。ノウミソとか、ノーショー? とか。センセーだったらもっといっぱい、いろいろのなまえをしってるだろうけど。


「どうしよ……ゴメンナサイでいけるかな……」


 センセーは、とてもシューネンがすごい。センセーはセンセーをころしたやつを、ゼッタイにゆるさない。けど、センセーはかしこいから、ヒツヨーイジョーのホーフクはしないっていってた。

 だったらこれも、フカコーリョクだからホーフクはされない、ってことで。よかった、センセーはねちっこいからホーフクもすごくてすごい。

 だって、あのチビとだってずーっところしあいしてた。あれはオレからすればどっちもどっちってやつだったけど、センセーはチビがわるいっていってて、ずーっところしたりころされたりしてた。ホントーに、どっちもどっちってやつだ。


「んー……」


 そういえば、チビはなにしてるんだろう。みためはおんなのこみたいだから、あそぼうってさそったことはあるんだけどやばかった。アイツ、ひとをいっぱいたたいたりするのがすきなんだとおもう。ミンチにされるの、にかいめはいやだ。

 オレがセンセーといるから、あわないのか。まぁべつに、あわなくてもいいけど。アイツ、いっぱいたたいてくるからいやだ。きらい。みためはすき。てとあしをちぎったら、もっとすきになるかも。

 うん、そうだ、てとあしをちぎったらいい。ああでも、いきなりちぎったらしんじゃうか。どうしよう、クスリは……センセーがしんでる……うーん……。


「あっ」


 ひらめーた! たぶん、あそこ、ビルのなか、クスリやってるやつがいた、とおもう! そいつからもらったらいい、くれなかったらころしたらいい。

 うん、そうしよう、それがいい。クスリをうって、てあしをちぎったら、たのしくあそべる。たのしい、きっと。たのしみ、とても。オレがたのしいから、チビもたのしい。



 それなら、いますぐ、いかなくちゃ!

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