第36話 血の神
「なんだあれは俺達あんな魔術見たことが無いぞ……」
「僕もあれは見たことがないです。」
神人とサラとリリアが見た光景はそれはこの世にあってはいけない残酷な景色だった。プラノスアイリスは自分が殺した冒険者と聖騎士の死体から全ての血を抜き取り、それを武器にしていたのだ。
「僕どこかで聞いたことあります……昔の神話の本で読んだことがあります」
「何か知っているのかキースよ」
「僕の予想が正しいなら、人間が誕生する前からいる悪魔ケルベカだと思います」
「キース様それって何でしょう?」
「人間が生まれる前はここは魔界だったんだ。その頃の魔界は今より技術が発達してて魔界の住民は全員今の神人並みに強かったんだ。だけど、ある時世の中で恐れられていた悪魔ケルべカが降臨してしまった。そいつは主に血を使う攻撃をしてくる。みんなが知っている名前で言うとケルベカは【鮮血帝】とも言われている。」
「鮮血帝なら私も知っている!」
「私も分かるぞ!」
「キースさんでもそんなに太古の世界の悪魔の魔術をなぜ今プラさんが使っているのです?」
「それは……僕も分からないが単純な思考で考えるならプラ君は単独で最強の時代を滅ぼした悪魔鮮血帝を単独で殺していることになる……。」
「それって……レイン何者なの?」
「プラ君は人間だけど……。人間のフリをしている神の殺戮者だよ……」
五人はどんどんと深まるプラノスアイリスの謎に迫っていった。それから鮮血帝と言われる悪魔ケルべカの技をキースから聞いたがそれも絶するものだった。
「鮮血帝の技ってどのような物なんでしょう……」
「鮮血帝はその名も通り【血】を使う魔術を得意としているんだ。その血は特殊で血の中には猛毒が混じっている。かすっただけで死に至らしめるような強い毒がね」
「そんなチート能力あってはなりません!」
「そうですねイリスさん。早くプラ君をもとに戻さないとこの文明が崩壊します」
ある程度話終わった五人はプラノスアイリスの元へ行き攻撃を仕掛けるが全て弾かれてしまい返り打ちにされてしまったが立て続けに攻撃を仕掛ける。
「皆行くよ!【神人解放。モデルCキース。権限せよ神剣キリストフ】」
「俺もプラ君を止めなきゃだな……【神人解放。モデルAガード。権限せよ神武ガンガルディア】」
「私のプラ君を返してもらおうか【神人解放。モデルBイリス。権限せよ神機イグレド】」
三人の神人は自分たちのモデルに適したその人専用の神級武具を超える力を持つ最強の武器を手にした。プラノスアイリスはこれでもしないと暴走を止められない。
「正直これでもプラ君を止めるのはきついがやらなきゃいけない僕たちは腐ってもプラ君と同じ神人だ【
キースの強い意志と共に放たれた一撃はプラノスアイリスの片腕に直撃してなんとプラノスアイリスの片腕が切断された。切断された腕を見て五人が喜んだのはつかの間プラノスアイリスの腕はすぐさま再生した。
「嘘だろ……。再生するとか僕達聞いていないぞ……。」
「キース君もしかしてあれって、四大神の一人の治神サラナスの効果じゃないかなもしかしてプラ君単独で四神の一人を殺しているのかな?」
「確かにその線もありますね。だが厄介です」
プラノスアイリスの異名でもある【神殺し】はやはり伊達ではなかった。プラノスアイリスは何体神を単独で殺しているのか計り知れなかった。
「俺が範囲殲滅で削るよ!【
「こんな攻撃は僕には効かないよ……。」
プラノスアイリスは指を鳴らしながらそう言うとガードが放った彼岸弾は全て消え去った。
「この消し去る技を使えるのはあいつしかいないだろう……」
「ガードさんあいつとは誰なのです?」
「
「レインさんは、その無神をも単独で倒しているのですか……」
どんどんと明るみにでるプラノスアイリスの謎に五人は呆然と立ち尽くした。でもまだ五人に希望が無いわけではない。キース達は休むことなく攻撃を繰り出した。プラノスアイリスも人間だずっと戦うのは疲れるだろう。その疲れた時を狙いドでかい一撃を食らわせたら良いとキース達は思っていた。
「お前らは……だれだ。なぜ僕の所にいる……僕は使命を果たすまでだ」
プラノスアイリスが初めてまともな会話をしてくれた。でもその内容は全ての物を消し去るまで世界を破壊させるの一言だった。
「もう……やめ……れ。ち……から……を抑えろ……」
「えっ……」
「やはりプラ君は僕たちの事を忘れていないんだ!」
「ですね!プラ君が本来の自分を抑えることに必死になっているわ」
「レインさん戻ってきてください!」
「レイン戻っておいしいご飯食べようよ」
「み……んな。キース、ガード、イリス、サラ、リリア……。本来の僕と戦うのはやめてください……。この僕はもう神そして全生き物が勝てる相手ではないです」
「レインが敬語?」
「そう、プラ君は本当に大人しい子だったのよ……。」
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