第33話 紅の世界
「帝王直々の緊急任務発生!!冒険者は直ちにギルドゴットイーターに集合してください」
帝国内に広がるギルドマスターの声が住民の耳を傾けた。王直々の任務なんて今まで一度もなかったからそれはもう腕利きの冒険者は楽しみで仕方がなかった。
数時間後アイリス帝国中心に位置するギルドゴットイーターの前には腕利きの冒険者がずらずらと集まっていた。一時するとギルドマスターとアイリス王と七王ベアルが中心のステージに上り今回の緊急任務の件について話した。
「皆の衆今回は集まってくれて心から感謝している。今回の例の件なのだが……今回はここでリタイアしてしまっても誰も咎めない、咎めたら我の権力を使おう。」
「どういうことですか帝王!!」
「私たちは仮にも腕利きですよ!!」
「そこのガキは誰なんだ!!」
ある冒険者の一人がベアルの禁忌に触れてしまった……。ベアルが自分にガキと言った冒険者の背後に瞬きする間に背後を取り首を斬ってしまった。もちろん冒険者達は悲鳴を出すが、王の言葉で一瞬で静かになる。
「この方はプラノスアイリス様率いるゴットイーター率いる七王の一人第六席次のベアル様だ!」
「うそでしょ……。」
「あんなに子供なのに……。」
「先ほどは殺してすまない……。あとで蘇生をする。そこで今回の任務は僕が王に頼んだものだ……。それは、我らが主プラ様の暴走を止める。」
この言葉を聞き冒険者たちは沈黙が続いた、自分たちが敬愛する主君プラノスアイリスの暴走を止めることなど自分にできるのか不安がっていた冒険者もいたが、逆に自分の力を過信してプラノスアイリスの暴走を止めると言い切る輩もいた、だがそれぐらいがちょうどいい。
「事の発端は、この世界を救うためプラ様は我々七王と冥界に行きました。そこで冥界神とあたり、戦うことになったのですが急に冥界神は暴走しこの地現世に戻ってきたんです。戻ってきたらプラ様がレインとして冒険者をしているときに出会った二人の少女が天理が居ると教えてもらい。プラ様はそれを討伐するために向かったのですが。そこに居たのは天理だけではなく束縛神もいて、プラ様の抑制されていた封印を解除されてしまいました。」
ベアルはある程度の事情を話し、もう一度冒険者たちに本当に任務を受けるのか確認したが満場一致で「受ける!!」と冒険者の熱い信念に押し任されたベアルは渋々了解を出した。ある冒険者の一人が「ほかのギルドからも応援出そうよ」と提案したがプラノスアイリスを慕っているのはゴットイーターだけだと思うベアルは反対したが、冒険者が今のプラノスアイリスの立場を教えてあげた。
「ベアル様、今プラノスアイリス様の地位なんでど……冒険者全員プラノスアイリス様の事が少なかれ尊敬しているのです。絶対に助けに来てくれます!」
ベアルは皆の気持ちを汲み取り、最後に一つだけ話をした。
「今回、この件だが……。プラ様はかつて皆も知っている神界戦争の殺戮兵器と言われた者です……。そこら辺の神を倒すより危険です。くれぐれも気を付けるように……。」
数時間後門に集まった約3000組の冒険者が最後に士気をあげるためにみんなで歌を歌い目の前に迫りくる紅の霧別名(紅の世界)を目の当たりにした。冒険者の人たちは多かれ少なかれ書物で紅の世界を知っている。あの書物に書かれていることが本当ならここは地獄と化する。七王全員が冒険者の前に立ち突撃の合図をだした。
「プラ様を助けるぞ!!!」
「お!!!!」
皆はプラノスアイリスに突撃を開始した。プラは自分の持っている理滅剣一振りで大地を一刀両断した。それでもみんなは止まらない……。プラは次々と全術式を放ってくる。
「やかましいぃ。【
プラは計三個の超位魔術を展開している。プラの闇の祭典で綺麗な緑の大地が赤く染めあがった、小ノ死の効果で紅色に染まった空から無数の黒い手が次々とやってくる冒険者たちはその手に触れられ即死する。【七王第二席次 メリヘム】のスキルドレインタッチで次々と黒い手を相殺させる。そのままロイがプラ本体に攻撃を仕掛ける。
「【
ロイの攻撃は本当なら跡形もなく相手はチリになるがプラには指二本で受け止められ遠くへ投げ飛ばされてしまった。そのままロイの援護をする形で、エキドナが追撃魔術【リストハイド】を使ったのだがそれも無効化されてしまった。
「いくらプラ様でも我の攻撃を傷一つなく消し去ってしまうのはチート過ぎる……。」
帝国の城壁からも砲撃を仕掛ける。ドォーンドカーン!!という爆音と共にプラに直撃しているがプラに傷の一つもできていない。プラも仕掛ける。
「めんどくさいなぁー。もう全員斬り殺す。」
冒険者たちはプラが魔術使いを知っていたのでこの世界のルールでもあるほかの職業の効果は90%下げられるという理を生かし系1000人でプラに斬りつけたが一瞬で1000人が斬り殺された。これは流石の帝王も国民に緊急避難警報を出した。
「お前ら、これが現実だ!!プラ様はまだ本気を出していない。これでもまだ戦う勇気のあるものだけはここに残れ。ないものは逃げても誰も咎めはしない……。相手は天理を余裕で倒せるプラ様だからだ!!」
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