第32話 三つの書物

 「ティアマトさんあれを見てください!!」


 ミリアは世界の異変に一足先に気づいてた。


 「始まってしまったか……。プラ様どうか無事でありますように……今私たち七王が帝国にもこの危機を伝えている。少し待っていてくれ。」


 ティアマトが二人に待機命令を出し今の状況を把握するためにほかに七王の情報を待っていた一方帝国では。

 

 城門を開けるよに指示を出していたのは第六席次のベアルだった。帝国兵はもちろん七王の事を知ってはいて崇拝もしているが。生憎ベアルは強大なオーラは出せない実力は七王クラスにはあるが。そのため兵士は城門を開けようとしない、それは分かるが今は世界の危機に陥っている。ベアルは力業で城門を破壊しようとしたその時。老いた声がした。


 「門を開けよ……。」

 「帝王様それは……。」

 「私が開けよと言った。」

 「はっ!」


 ベアルは流石一国の王だな……と感心したのはつかの間。アイリス王はベアルに頭を下げた。


 「帝王様何をやっているのですか!!」


 兵士が王に頭をあげるよに指示を出したが王は兵士を鋭い眼差しで睨みつけた。


 「お前は早く頭を下げろ。あの方は七王様だぞ。」

 「そ!それはまことにすみませんでした!!」

 

 もちろんベアルはこの帝国を仕切るつもりはないので笑いながら二人に「そんな硬くならないでください」と笑いながら話した。そして王がベアルに何故今日この帝国に来てくださったのかをベアルに聞いた。ベアルはこの件を深刻そうな顔で次々と話した。


 「王様、心して聞いて下さい……プラ様の力を抑制するための封印を誰かが解いてしまいました……。」

 「それは……良いことではないのですかベアル様。」

 「まだ人間には知られていませんか……。おい、例の書物を持ってこい。」


 ベアルが自分の率いる部下に例の書物を持ってくるように指示をして、二人に例の書物を見せた。


 「これが一つ目の書物。【最悪戦争】」

 「これは知ってます!!」

 「我も知っておる。」

 「そうこれは有名な書物ですね。これは数千年前の話ですが、別名【神界戦争】ともいうのです。」


 ベアルが二人に話した内容は、最悪戦争と言われる元の原因が今の頂点天理イブルシファーの仕業て事と、この時この地に降り注いだ最悪は神界で起きた戦争の一部にしか過ぎないことを話した。


 「そして二つの目の書物。【天から降り注ぐ悪】」

 「これもすごく人気の作品ですよね!!」

 「我も子供のころから読んでたからわかる。」


 この【天から降り注ぐ悪】と言われるこの作品なんだけど、これはいたって平和な日常を暮らしていた帝国の人々達がある日を境に一瞬で全員死ぬと言ったファンタジーなお話だ。


 「そして最後の作品【神からのプレゼント】」

 「この作品は少しマイナー向けの作品ですね。」

 「我はこの作品も見たことがあるぞ。」


 この作品は、ある日の冬に訪れた事件の話だ。町の人々は冬にあるクリフマスと言う祭りをすごく楽しみにしている。だけど平凡な日常に突如現れた少年。その少年は感情一つ表さなかった。その少年からでる紅色の煙がこの世界を飲み込んでしまい。世界は混沌に満ちるという話だ。


 「ここまで僕の説明を聞いて分からなかったことはないですか?」

 「この三冊になんの共通点があるか我は分からなかった。

 「私も同じくわかりません。」

 「では皆さん上空を見てください。」

 「なっ。なんだあれは!!」

 「これは……。」


 二人が見た光景はまるでさっき説明をした本と全く同じ光景だった。二人は混乱しているがそこはベアルが落ち着いて物事を伝えた。


 「王様と兵士さん、分かりましたか。あの三作品は全てプラ様に関係がある書物なんです。かつての最悪戦争と言われた戦いにたった一人で相手を壊滅させた殺りく兵器、それがみんなが敬愛する神殺しプラノスアイリスなのです。それと皆様も疑問にあると思うのですが……この世界には【超ステータスアップ】はあっても【超成長】はないですよね。あの方は最初の作品にも出てきた【世界破壊機械またの名を神人】なのです。」

 「我が敬愛するのは絶対にプラノスアイリス様だけだけど。プラノスアイリス様は何者なんだ?」 

 「プラ様は天理に作られた元人間なのです。そして先ほども言った超成長がない理由はあの方のモチーフは……。これだけ言えば理解はできるでしょう」

 「プラノスアイリス様は神界戦争の最終兵器として作られたモデルがA~Dの中にある中で成長をモデルにした兵器と言うわけですね。」


 ベアルが王の顔を見て理解したことを確認し顔と言葉を鋭く低い声で帝王に最後の指示を出した。「ここは地獄と化する。死にたくなければ国民を連れてこの帝国から逃げろ。僕はどうにかしてプラ様を助ける。」と言い終えたころにはベアルはなぜか涙をこぼしていた。


 「我たちも戦います。邪魔かもしれませんが我も敬愛する身としてプラノスアイリス様を助けたいです!。我の帝国の冒険者を王からの緊急任務として手配します。帝国の冒険者は全員来るでしょう。」

 「くれぐれも気を付けろ。世界を壊滅しかけたプラ様が無理あり解放された力を解き放つんだ。最悪戦争とは、比にならないぞ……それでも来るか?」

 「我は帝王だ二言はない!!」

 「もうとめない……」

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る