第30話 最悪 

 激しい魔術の打ち合い中サラ達は追い詰められていた……サラ達は強いものとは戦ったことはあるが神とは戦ったことはほとんどない。このまま戦えば100%サラ達は負けるだろう。相手は四神の一人【束縛神 バルハラザーク】なのだから。


 「うっ……」

 「お嬢ちゃんどうしたんだい?」

 「【神聖魔術しんせいまじゅつ 神聖ノ加護オーバーサポート】サラちゃんこれでどうか持ちこたえてください……」

 「リリアありがとう。あいつに一撃を入れる……【血鮮花術けっせんかじゅつ 血龍血鮮花ちりゅうけっせんか】」


 サラが放った一撃はバルハラザークの腹部に明らかに当たったのだがバルハラザークは笑いながらサラ達に「弱すぎる……」と言った。血龍血鮮花の特有の攻撃の後に追撃で血の龍が召喚されると言った技だけどそれはバルハラザークのスキルで完全無効にされてしまった。バルハラザークは常に自身の周りに鎖が飛び回っている。これに当たると即この戦いからおさらばしないといけないだろう。私たちがまだこの戦いで生き残っているのはたぶんレインの特訓のおかげとあいつらが本気で私たちを相手にしていないからだろう。確かに私らじゃ相手にならないだろう……だけど私たちにはまだ秘策がある。


 【一か月前】


 「サラー、俺はお前にある技を教える。これはもし俺が二人の元を離れて強い敵が出てきて行き詰った時に使うと良い」

 「リリアにはこれを教える、これもかなり強力だ……。二人に今回教えた物は強い精神力が必要だ。生半可な精神力だとこれそのものに体を乗っ取られる、それだけは気を付けて。」

「わかったなの……。」

「わかりました!」


 バルハラザークはサラ達を見下しながら束縛神の神力【束縛術そくばくじゅつ 零世結界れいせいけっかい】を使いバルハラザークの周囲10キロはバルハラザークの領域となった。サラ達はレインが教えたことをどんどんと思い出す。


 【一か月前】


 「二人とも四大神て知っているか?」

 「少しなら知ってるよ!」

 「私も若干かな……」

 「四大神と言うのは、天理の側近の事なんだよ。正確には神の中で上位四柱の事なんだけど。一人ずつお前らに教えるね。」

 

 【冥界神 ヴァルキュリア】

 〇冥界を統べる神〇

 ・戦闘スタイルは冥界の者にだけ使える冥界の加護を使い自身を強くし圧倒的な力        

  を得る。

 

 【破壊神 ゴーギアス】

 〇破壊を司る神〇

 ・レインに破壊術式を教えた張本人。

 ・戦闘スタイルは、わざと攻撃を食らい自分の破損した場所と同じ場所を相手にも     

  倍のダメージで返す。

 

 【治神 サラナス】

 〇回復を司る神〇

 ・レインに身体強化の能力を与えた神。

 ・戦闘スタイルは、基本は戦わないが相手にしたらサラナスを倒せるものはほとん   

  どいない。


 「レインさん、では私たちが気を付けないといけない神とは誰でしょうか?」

 「基本全員厄介だ。だけど一番お前らと相性が悪いのは束縛神バルハラザークだねあいつはお前らとは相性が最悪すぎる、あいつの戦い方の問題でもあると思うが……あいつは相手のスキルを封じてくる上に自分の隠された神力も開放できるから厄介だ。」

 「ではもしですよ!もし、バルハラザークと対峙してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?」

 「基本あいつからは逃げられない。だから先ほど教えた技を使え……」


 サラとリリアは神力を使う四大神の一人、束縛神バルハラザークを倒すために自分たちの心に強い気持ちを込めてレインに教えてもらった究極の技を解き放った。


 「レイン私頑張る……。【破壊術式改はかいじゅつしきかい 終焉ノ月光しゅうえんのげっこう】」

 「サラさんレインさん……私はお二人に助けられました。だから私はここでの戦いに勝って恩返しをしたい!!【神装武具しんそうぶぐ 螺旋姫蛍らせんひめほたる】」


 二人はレインから教えてもらった二つの技、終焉ノ月光と螺旋姫蛍を使い今彼女に出せるであろう最大限の力をバルハラザークに撃ち放った。だがバルハラザークも最強の神、四大神の一人だたとえ二人が最大限を出したとしても神の最大限を超えることは不可能だ。だがバルハラザークもかなり驚いている。小娘に神装武具と破壊術式を扱えるはずがないと思っていたからだ。バルハラザークは勘が鋭く一発で当てた。


 「お前ら……。その技プラノスアイリスから教えてもらったのか……。」

 「そうです。」

 「お前らその技の破壊力……を知っているのか……。小娘二人だったから良かったものを……これがあいつが使っていたとしたらこの世界は無くなっていたぞ。」

 「うそつき!!」

 「レインさんがそんなものを教えると思っていますか?」

 「お前ら……敵の話を聞かないのは分かる……俺もきかないからな……だけどその技を教えるときにあいつは言ったはずだ……。【強い精神力が必要だ】と……。」


 サラ達はレインが言った事を完璧に当てられ同様していた。


 「そこの二人……サラとリリアだったか……。二人ともレインの事を一つも分かっていないんだな……。今すぐに知ると良い……真実を……。俺は俺のやるべきことをする……俺の目的はレインこと(プラノスアイリス)の真の力の解放だ……。」

 「それってどう言う意味ですか!!」

 「そのまんまの……意味だ……。下界にも壮絶な被害をもたらしたあってはならない戦争。最悪戦争またの名は神界戦争の殺戮兵器と呼ばれた【神人モデルD 超成長のプラノスアイリス】の恐ろしさを。俺がこの束縛の力で開放する……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る