第24話 おじいさんの通行カード ―冥界―

 薄暗い大廊下を歩いていたある一人の男、見た目では人間ではないことは確かだろう。その男が歩く道はどんどんと、明かりがつき雰囲気が重い。男はある一室に到着した。コンコンと音を鳴らしたら、目の前にデカいドアがキシキシ音と共に開く。男は躊躇ちゅうちょせず歩きある者の前で膝まついた……。


 「表をあげよ。」

 「失礼します。」


 男の目の前には明らかに周りと纏っている雰囲気が違う男がその玉座に座っていた。


 「【冥界ノ使徒めいかいのしと 第四席オグ】今御身の前に参りました。」


 第四席オグは膝をついて頭をあげた先には、冥界神ヴァルキュリアが居た。ヴァルキュリアは深くため息をしてオグにあることを伝えた。


 「お前らならわかっていると思うのだが、我はレインを止めろと言ったはずだ……。なぜお前らは、レインを冥界に入れたのだ?」

 「まずこの第四席オグに謝らせてください。すみませんでした……。この罰は受けたいと思います……。」

 「いやよい、レインは天理様も警戒している相手だ。だとしても冥界に入れたのは、冥界ノ使徒の不手際だ……。ほかの奴らにも話しておけ……。【殲滅対象に切り替える】とな。では去れ。」

 「ありがたき幸せ……。」


 オグは黒い煙と一緒にその場を去ってしまった。一方レインたちは……。


 「お前ら出発するぞ!」

 「お~」


 俺の声と共に七王たちの声で俺たちの士気が上がる。この七王はこうしてても、異次元の強さだ……。それは神に匹敵するね、俺も認めざるを得ない。こうしてても影縫と戦わせたらガード以外なら楽勝に勝てるだろう。俺たちは冥界の加護を無効化する道具をこのナザリッテ大迷宮の最果てにある、魔物を倒して奪わないといけない。

俺は心の中で「ったく面倒だな」と軽く思っている。幸いだが、途中助けたおじいさんのおかげで100層まではショートカットできる。


 「すみません、カッパー冒険者パーティーです。」

 「カッパーの方にはここの大迷宮は危ないですよ。」


 そう受付嬢に少しバカにされつつ笑われる。だがおじいさんの通行カードを渡した瞬間受付嬢の対応が変わった。


 「え……あの方の通行カード……。あなた様たちは本当にカッパーですか?」

 「正真正銘カッパーですよ。ほら……」


 俺の纏うオーラは七王によると常人では耐えられないほどすごいらしい……。俺はそのオーラを隠蔽するために、神級魔道具の指輪でいつもは隠している。でもこの時俺は「このオーラを出せば100階より、もっと下層に行けるのかもしれない」と思っていたので受付嬢の目の前で指輪を外した……。


 受付嬢とその周囲の冒険者は足が崩れるようにバタバタと倒れた。


 「あなたさま……。のそのオーラは人間の域を超えています……。あなたは何者なのでしょう……。『この方絶対に、サファイヤランクを超えている……。神殺しかもしれない……。』」

 「僕たちは、普通の冒険者です……。お願いがあるのですけど、400階層までショートカットしていいですか?」

 「ど……う……ぞ……」


 俺たちは受付嬢の許可をもらい。大迷宮の常闇とよばれる400階層までショートカットした。実は、さっきの指輪を外した時の話なのだが。誰かがこそこそと後ろの柱の上で盗み聞きしていたのを俺は知っている。でも実害がないからほっといたな。


 「あの方がもしかして……」


 俺たちはあっさり常闇についた。ポータルから出た瞬間、誰かの叫び声がした。硬い金属音、魔物の叫び声。そこで戦っていたのは、昨日の昼おじいさんと揉めていた赤髪のパーティーだった。俺は一瞬なんであいつがここに居るのか考えた。


 「レイン様~、なんであんな雑魚が常闇に居るんですか?」

 「こーら、サタナキアあいつらは人間なんだ。俺達なら最果てまで余裕だけど、人間はまだ最果てに誰も到達して居ないんだよ。」

 「貧弱な人間ですね……」


 そう人間について話していると、赤髪がこちらに気づいて近寄って、怒鳴った。


 「なんで雑魚カッパーがこんなところにいるんだ……。お前らは戻れ、遊びで来る場所ではないぞ!!」


 どうやら赤髪パーティーは、悪いやつではないらしい。あの時は何か逆鱗に触れた物でもあったのだろう、今はもう一つのダイヤモンドパーティーを助けている最中だったのだ。俺は赤髪にある提案をした。


 「ねぇーそこの赤髪、君が僕たちの力を借りるならこの戦況を変えてあげましょうか?」


 そう提案したら、赤髪がまたまた怒鳴った。要するに、俺達カッパーがでしゃばって出たのが気に食わなかったらしい。「ったくめんどうだな。また指輪外すか」


 「見てるのが嫌になったのでこの場を鎮めたいと思います。」

 「お前ら、喧嘩売ってんのか?」

 「いやいや、私たちは。形だけの冒険者なんで本職は違いますよ……。私たちは早く最果てに行かないといけないのでこの階層主を早く倒したいだけなのです。」

 「ふざけ……っう……なんだこのオーラ」


 赤髪が膝をついた原因は俺のオーラのせいだろう。やはり生物は見た目で判断してはいけないものだと痛感した。

 

 「お前は……。何者なんだよ……」

 「私はカッパーです……。あとあいつベヒーモスの亜種なんでさっさと倒したいと思います。僕じゃここの大迷宮ごと破壊しそうなのでここは、私の配下の七王の誰かに頼みたいと思います。」

 「っちょ。お前しちお……」


 赤髪の男は何かを言いかけようとしたが、その言葉はレインに届かず七王が誰が倒すか喧嘩をしていた。


 俺が誰が倒すか喧嘩をしていた七王に、くじでやるように提案した。七王がくじをして決まったのは、【七王第五席次 ロイ】だった。


 「ロイ~決まったからには、きれいに倒してよね!!」

 「分かってるよ~、僕あの貧弱そうなベヒーモスごとき小指で何とかなる」


 そう言った瞬間ロイは、ベヒーモスに小指をぶつけ。腹部に裂傷痕を付けて倒してしまった。


 「お前ら……何者なんだ……。」

 「ただのカッパーです」


 俺達は無事ベヒーモス亜種を倒して、最果てに向かうことにしたのだが。赤髪が俺らを止めた。なんか赤髪も一緒に行きたいらしくて、子供のころからの夢だったらしい。俺は渋々了承したのであった。

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