第23話 ナザリッテ ―冥界―
どれぐらい歩いたのだろ。俺はそう思った、思うのも当たり前俺たちは、大迷宮に向かうのに都市内を4時間ぐらい歩いている……。俺は思わず「長すぎだろ!!!」と心の中でツッコんでしまった。
「でも本当にデカいなナザリッテは……」
「そうですね。私もそろそろ疲れてきましたわ……。」
「僕たちはまだまだいけるぞぉ~」
俺たちは、暇話をしながら楽しく長時間歩いた。そう歩いていたら近くの出店から怒鳴り声が聞こえてくる。
「おい!!てめぇ。殺されてぇ~のかあん??」
俺たちは、何か揉め事か?と思いその店に出向いた。そしたら赤髪のいかにも悪そうな男とその取り巻きがおじいさんを囲って殴ろうとしている。俺は流石にまずいと思い音速でその赤髪の男の背後に行った。「お兄さんそこらでやめときな……」俺は耳元でささやいた。男は気に食わなかったのだろうか、男は俺に対して怒りをあらわにした……。俺に危害を加えたら後ろにいる七王が黙っていないのであらかじめ俺が殴られても手を出すなと七王に言ってある。
男は俺に案の定殴り掛かってきた。俺は反射で止めたのを赤髪とその取り巻きは驚いて俺から距離を取った。赤髪の男に俺の冒険者ランクを聞いてきた。俺も大迷宮に行くなら冒険者カードが必須と言われたので。あらかじめ作っておいたのだ。
「俺とその仲間は、カッパーだよ。」
赤髪の男はゲラゲラと声を出し笑った。
「カッパーごときがこのダイヤモンドパーティーに喧嘩しかけるなよ。」
赤髪の男とそのパーティーメンバーは俺たちに、警告しその場を後にした。おじいさんが俺たちのところに来て「ほんとうにありがとうございます」とお礼をしてあるものを渡してきた。「これは?」俺はおじいさんにあるものを渡された。
「これは、通行カードと言いなぁ、これを大迷宮の入り口で渡せば100階層まで一気にいけるのじゃ。あなた様方は、本当にカッパーなのか……。わしから見れば、あの動きとあの纏うオーラ、肌で鳥肌が立ったぞ。あなた様の実力を見越してこれをわたす」
「いえありがとうございます。でも僕たちは、カッパーです正真正銘の……。」
俺達はその出店から出て大迷宮の方角に進んでいった。のちに聞いたのだが、あそこで揉めていたのは、あのおじいさんから通行カードをもらうためで。おじいさんは自分より上のランクの冒険者に渡したかったらしい。おじいさんも年が年だ……。かつてはサファイヤだったけど年で体もごたつく。若い子たちには勝てないだろう……。
「時間も時間だな……。みんな今日は宿に泊まって明日迷宮に入るか!!」
「そうですね。私も汗を流したいですね。」
「我も、多少疲れましたね。」
「僕たちは早く寝たいです~。」
七王たちも歩き疲れたらしい。ひとまず宿に泊まることにする。
「すみません~。部屋を二部屋借りたいのですが空いてますか?」
「もちろんあいてま……。」
「ちょっとまったーー!!!」
「どうした??」
急にメリヘムが話を止めて、部屋の割り当ての件について話し合った。メリヘム、曰く。ロイとベアルはずるいとのことで……。俺とロイ、ベアルは男なので一部屋と思っていたけどなんか皆、俺達と寝たいらしい……。確かにロイとベアルは小柄で男にもかかわらず可愛らしい顔立ちをしている。それは女性陣に好かれるのも納得。
「二人とも女性陣と寝たかったら行っていいよ。」と俺は二人に行ったのだがまた女性陣がレイン様もですよ!!と言い始める。
「俺は流石に年齢的に一緒にはきついぞ」と言ったのだが。女性陣は有無を言わせず。俺たちを無理やり部屋に連れて行った。そして風呂も入り、飯も食い。寝る時間だ。
「レイン様は最近ご多忙だったのではないですか?」
「確かに、忙しかったな……。」
「それじゃ、このシラのモモに頭を乗せてください」
「って、おい!俺は別いいぞ」
俺はシラのモモへのお誘いを即座に断った。シラは少し残念そうに俺を上目遣いで見てくる。シラは「別に今日は、甘えてくださっても良いのですよ~」とか意味不明なことを言いつつ俺を誘ってくる。ロイとベアルはまだ子供で若いから、甘えて先にシラの膝枕を貰っていた。さすがに気持ちよかったのか、二人はとろけてた。
「レイン様~、シラの膝枕気持ちいよ~。ねぇ~ロイ」
「気持ちいです~。レイン様も騙されたと思ってしてみてよ~」
「そうですよ。レイン様、今日は私のモモで寝てください。」
「あ~~わかったよ。寝ればいいんでしょ!!」
俺は、押しに弱いのでシラのモモに寝転がった。流石だな……。シラは色欲担当の七王なだけあって最高に気持ちい、「やばいこれはとろける」俺はそう心の中で言っていた。俺は、いつの間にか寝て次の日になっていた。朝起きると、なんか右にモチ、左にもモチ上にもモチ下にもモチ。なんか左右上下モチの山だった。
「ちょっと何してんの??」
と俺は、叫んだ。「こいつら警戒心ないのかな」と俺は思ったが俺の部下だ、俺自身そういったことをするのは本望ではないため、触れなかったのだが。
「さすがにだめだ!!。お前ら自分の身のスペックわかっているのか??。俺の理性が保てなくなるぞ!!」
「大丈夫ですよ。レイン様なら」
「ったくお前らは……。」
俺たちは着替えて朝食を済ませて。早速大迷宮に入ることにした
【ナザリッテ地下大迷宮 第400層にて】
「お前ら大丈夫か!」
「兄貴こっちはあぶない……。」
「こいつを殺せば……。人類初の最果てに到達できるのに……。」
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